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第5回 コスト削減につながる11g R2の5大新機能

開発テーマは「Lowering IT Cost(ITコストの削減)」

 第1回から前回までは、Oracle Databaseの能力を生かすことに着目し、単なるデータベースとしての使い方だけでなく、Oracle Databaseが備える“データベース・インフラ”としての側面を、テーマごとに紹介してきました。

 最終回では、2009年11月から提供を開始する「Oracle Database 11g Release 2」(11g R2)について、追加された新機能を中心に紹介します。これにより、現時点でOracle Databaseが持つ真の能力をご理解いただけると思います。

 11g R2の開発テーマは「Lowering IT Cost(ITコストの削減)」です。以下では、このテーマに基付き、ITコストの削減につながる11g R2の5大新機能を順番に紹介します。

1. Real Application ClustersからOracle Grid Infrastructureへ
2. RAC One Nodeによる小規模データベースの集約
3. Automatic Storage Managementの機能拡張によるストレージ管理の一元化
4. ハードウエアの進化を最大限に活用するIn-Memory Parallel Query
5. アプリの無停止メンテナンスを実現するOnline Application Upgrade

 加えて、細かな新機能についても紹介します(ユーザーの中には、こうした細かな新機能を評価して最新版にバージョンアップした例も過去多くありました)。

複数RAC間のリソース共有が可能に

 新機能の1つ目は、Oracle Real Application Clusters(RAC)の進化です。

 Oracle独自のActive-Active型のクラスタリング機能であるRACは、高い可用性と拡張性を同時に実現できます。11g R2では、このRACが大幅に拡張されています。

 まずは、これまでのRACの進化についておさらいします。初期のRACは、1つのシステムで利用するデータベースの可用性・拡張性を高めるものでした。続く「Oracle Database 10g」や「Oracle Database 11g」で拡張されたRACは、複数のアプリケーションから利用できるデータベース基盤になりました。

 この段階でのRACの課題は、主に3つありました。

(1)サーバーを統合するためには、データベースを1つにする必要がある

 第1回(http://thinkit.jp/article/1037/3/)でも紹介したように、RACはサーバー統合に有効な方法の1つですが、従来ユーザーの声として目立っていたのが、バラバラに構築されたデータベースを1つに統合するのが難しいという点です。

(2)データベースを1つに統合できない場合、複数のRACを用意する構成になるが、その複数のRAC間でリソースを共有できない

(3)物理サーバーを特定してソフトウエアが稼働するアーキテクチャーのため、台数が増えると管理が煩雑になる

 こうした課題を解決するのが、11g R2で登場したOracle Grid Infrastructureです(図1)。Oracle Grid Infrastructureでは、インフラ全体を仮想化し、より柔軟なリソースの配置を可能にします。具体的には、Automatic Storage Management(ASM)がストレージを仮想化し、Oracle Clusterwareがサーバー・リソースを仮想化します。

 Oracle Grid Infrastructureでサーバーを管理することで、RACに対して自動的に物理サーバーを割り当てることができ、複数のRAC間でサーバーを融通し合う運用が可能になります(図1では、販売システムRACの処理量が増えたため、CRMシステムRACからサーバーを借りている)。また、サーバー固有の設定を排除する機能などによって、運用管理も容易になります。

 Oracle Grid Infrastructureのまとめは以下の通りです。

・データベースは1つに統合 → 複数データベースでも可能に
・複数RAC間でリソース共有ができない → 従来あった“複数RAC間の壁”を取り払い、リソースの共有が可能に
・サーバーが増えると管理が大変 → サーバー固有の設定を意識せずに構成可能に

この記事の著者

山本 祐介

日本オラクル株式会社
Oracle Direct / Technical Service Group 所属。Oracle Database, In-Memory Solution, 仮想化などの製品を担当し、プリセールス活動やオンラインセミナー(Oracle Direct Seminar: http://www.oracle.co.jp/direct/seminar/)等による情報発信を行う。現在はWindows Server上でのOracle製品活用を推進している(http://www.oracle.co.jp/campaign/mb_tech/

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