必読!ログファイルとディレクトリ

2008年12月2日(火)
菊地 宏一郎

それ以外のログファイル

ここでは、/var/log/直下に配置されているログファイルのうち、前ページで説明したもの以外について説明します。具体的には、「/var/log/acpid」「/var/log/anaconda.log」「/var/log/anaconda.syslog」「 /var/log/dmesg」「/var/log/rpmpkgs」「/var/log/yum.log」の6ファイルです。

/var/log/acpidは、電源ボタンが押された際などに発生するACPIのイベントを処理するデーモンであるacpidのログファイルです。発生したACPIイベントと、イベントに応じたアクションのログが記録されています。

/var/log/anaconda.logと/var/log/anaconda.syslogは、インストーラであるanacodaのログファイルです。これらの他に、/root/install.logと/root/install.log.syslogにもインストール時のログが記録されています。それぞれ、記録されている内容は違っていますが、インストールがうまくいかなかったような場合以外、これらのファイルを参照することはまずないでしょう。

/var/log/dmesgは、システム起動時からファイルシステムがマウントされる時点までの間にカーネルが出力したメッセージが記録されているファイルです。dmesgコマンドで表示される情報は一定量を超えると古いものから順に削除されますので、情報ハードウエアの認識状況をdmesgコマンドで確認しようと思ったらすでにメッセージが流れていた、ということも起こり得ますが、そうした場合にもこのファイルが利用できます。

/var/log/rpmpkgsは、システムにインストールされているすべてのrpmパッケージ名を記録したファイルで、毎日更新されます。このファイルは/etc/cron.daily/rpmにより生成されています。

/var/log/yum.logは、パッケージ管理ツールであるyumのログファイルです。yumコマンドを使った、パッケージの追加や削除、アップデートなどのログが保存されています。

ログディレクトリ

最後に、/var/log以下に作成されている、ディレクトリについて、ごく簡単に説明します。具体的には、「/var/log/audit/」「/var/log/mail/」「/var/log/httpd/」「/var/log/conman/」「/var/log/conman.old/」「/var/log/news/」「/var/log/pm/」「/var/log/ppp/」「/var/log/prelink/」「/var/log/vbox/」「/var/log/cups/」「/var/log/samba/」「/var/log/squid/」の13ディレクトリです。

/var/log/audit/は、システム監査デーモンであるauditdのログファイル(audit.log)が保存されるディレクトリです。/var/log/audit/audit.logはテキスト形式ですが、ausearchというログ検索コマンドと、aureportというログのサマリーを出力するコマンド(どちらも/sbin/以下にあります)が付属しており、これらを利用することもできます。図3-1にaureportコマンドの実行例を掲載していますので、適宜参照してください。

/var/log/mail/は、sendmailのログディレクトリで、sendmailの統計情報ファイル(/var/log/mail/statistics)が置かれています。このファイルはバイナリ形式で、mailstatsコマンド(/usr/sbin/mailstats)を使って情報を参照します。図3-2にmailstatsコマンドの実行例を掲載していますので、適宜参照してください。

/var/log/conman/と/var/log/conman.old/は、シリアルコンソール管理デーモン(conmand)のログファイルが保存されるディレクトリです。

/var/log/news/は、インターネットニュースシステムアプリケーションであるINNのログファイルが保存されるディレクトリです。

/var/log/pm/は、電源管理のためのユーティリティーやスクリプトをまとめたpm-utilsのログが置かれるディレクトリです。

/var/log/ppp/は、ダイアルアップ通信など、PPP(Point-to-PointProtocol)を処理するデーモンであるpppdのログファイルの出力先ディレクトリです。

/var/log/prelink/は、日次(にちじ)で実行されるprelinkコマンド(/etc/cron.daily/prelink)の実行結果が保存されるディレクトリです。

/var/log/vbox/は、isdn4k-utilsパッケージに含まれるISDN voice boxデーモン(vboxd)のログファイルの出力先ディレクトリです。

/var/log/httpd/は、Apacheのログが保存されるディレクトリです。Apacheの設定的には/etc/httpd/logsがログディレクトリですが、/etc/httpd/logsは/var/log/httpdへのシンボリックリンクになっており、/var/log/httpdにログが出力されるようになっています。

残りの/var/log/cups/、/var/log/samba/、/var/log/squid/は、それぞれディレクトリと同名のアプリケーションのログ出力先ディレクトリです。いずれもメジャーなアプリケーションですので、説明は割愛させていただきます。

以上、今回はCentOSの基本的なログについて説明を行いました。システムの基本的なログとしてどのようなログがあるかご理解いただけたでしょうか。次回はログの管理ということで、syslogとlogrotateについて説明を行います。

株式会社アールワークス

大学在学時に FreeBSDユーザーになり、その流れで非Windows 系の仕事を求め 2006年アールワークス入社。 現在はネットワークインテグレーション部に在籍し、日々顧客システムの問題を解決すべく奮闘中。http://www.rworks.jp/index.php

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