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第3回 時はきた! 侍魂 見せるとき

FOSDEM'08初日

 FOSDEM'08(http://www.fosdem.org/2008/)はブリュッセル郊外にある大学、ULB(http://www.ulb.ac.be/homepage_uk.html)で開催されました。キーノートスピーチが行われた大講堂は数百名の開発者でぎっしり埋め尽くされ(http://lh5.ggpht.com/haradats/SADCK4vB9iI/AAAAAAAAAkQ/Z0QgjWGMeGY/DSCF2979.JPG?imgmax=512)、大学内の教室は、BSD、Ubuntuなどのディストリビューションや各種ユーザ会のメンバーが熱心に展示やデモを行っています。主催者提供資料によると参加者は4,000名以上、これまで私が参加したOSSの会議の中でも圧倒的なスケールです。

 こちら(http://lists.sourceforge.jp/mailman/archives/tomoyo-users/2008-February/000358.html)は、会議初日にTOMOYO Linux(http://www.thinkit.co.jp/free/article/0706/17/1/)プロジェクトのメーリングリストに送ったメッセージです。

 規模だけではなく、雰囲気も違いました。うまく言えないのですが、足が地についているというか、静かに落ち着いています。日本のイベントによく見られる「お祭り」的な雰囲気はありません。いくつかのセッションを聴講しましたがWindowsは見かけませんでした。今回デュアルブートのPCを持参していましたが、発表をUbuntuで行うことを決めました。

 私の発表は2日目の昼でした。午前5時くらいまでずっとホテルの部屋で資料を編集していました。こちらは(http://lists.sourceforge.jp/mailman/archives/tomoyo-users/2008-February/000359.html)発表当日の朝、TOMOYO Linuxプロジェクトのメーリングリストに送ったメッセージです。

紙袋2つにノートPCを入れて会場へ

 「腹が減っては戦ができぬ」ではないですが、最善の状態で発表に臨みたいと思い、ホテルのビュッフェで朝食をとりました(21ユーロ、日本円換算で約3,200円也!)。地図やガイドはなくしてしまいましたが、前日トラムの路線を確かめ、3日間有効のチケットを購入してあったので、あとは会場に向かうだけです。

 ここでちょっと困ったことがありました。私は「万一の場合」に備えて、会社のPCの他に個人持ちのPCも持ってきていました。しかし、2台のPCを運ぶための鞄がありません。日欧産業協力センター(http://www.eu-japan.gr.jp/base/index1.html)へのおみやげを買った紙袋がありましたが、それに2台のノートPCを入れると破れそうだったので、ホテルのフロントで話をして2つめの紙袋を入手しました。

 「いざ出陣」、私は両手に紙袋を持ちホテルを出て、ルイーズ広場近くの停留所で94番のトラムに乗車しました。あとは、乗り過ごさないように注意すれば良いだけ...、のはずでしたが、ここでも新たなトラブルに見舞われました。乗車してまもなく停留所でもないところでトラムが停まってしまい、乗客が皆下車し始めたのです。

 運転手にどうしたのか尋ねると、どうやら電車の故障のようです。よりによって、こんなときに、こんなところで!トラムの乗車時間は約40分程度ですが、ホテルは余裕を見て早めに出ています。私は思いました。「古来、旅とは歩くもの。地続きであれば歩けば良い。道はわからずとも、線路伝いに歩けば必ずたどり着く」。こうして、私はトラムの線路伝いに歩き始めました。両手にノートPCの紙袋を下げ、一歩一歩踏みしめながら。ちょうど私が会場であるULBに到着したころ、トラムが再開しました。

この記事の著者

原田 季栄

TOMOYO Linuxプロジェクト
北海道室蘭市生まれ。1985年北海道大学工学部応用物理学科卒。同年NTT(横須賀研究センター)入社。現在の所属は、株式会社NTTデータ技術開発本部。2003年よりオープンソースの研究開発に取り組む。「使いこなせて安全」を目指すTOMOYO Linuxプロジェクトのマネージャ。

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