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第6回:UserParameter設定で様々な監視を実現
著者:ZABBIX-JP  寺島 広大   2007/2/27
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MySQLテンプレートの利用

   では実際にMySQLの監視を行ってみましょう。これまでに説明した手順と同様に設定することで利用できます。

   「Configuration → Hosts」をクリックしてホスト設定画面を呼び出し、「Create Host」をクリックします。続けて以下のように設定し、「Save」をクリックします。
Name localhost_mysql
Groups testにチェック
New Group 空白
Use IP address チェック
Port 10050
Status Monitored
Link with Template MySQL_t

表2:MySQL監視の設定

   以上で設定は終了です。「Monitoring → Latest Data」をクリックし、右上の「Host」ドロップダウンリストから「localhost_mysql」を選択して、取得した監視値を確認してみましょう。

MySQLテンプレートで取得した監視値の確認
図1:MySQLテンプレートで取得した監視値の確認
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


UserParameterによる監視機能の拡張

   MySQLの監視設定のようにUserParameterを利用することで、スクリプトを用いた監視機能を拡張することが可能です。この機能により、ZABBIXエージェントに標準で含まれていない監視を行うことができます。


UserParameterの利用方法

   MySQLの監視設定と同様に、/etc/zabbix/zabbix_agentd.confに以下の形式で設定を行います。

UserParameter=<アイテム設定のKey>,<実行するスクリプト>

   Webフロントエンドのアイテムの設定で「[ ]」を用いると、その中に設定した値はUserParameterに変数として渡されます。

   例として、ファイルのinode値を取得するUserParameter設定を紹介します。

UserParameter設定
UserParameter=file.inode[*],ls -i $1 |cut -f1 -d" "
アイテム設定 (Units以下の設定は省略)
Description Inode of $1
Type ZABBIX agent
Key file.inode[/etc/zabbix/zabbix_agentd.conf]
Type of information Numeric (integer 64bit)

表3:inode値の監視を行う設定

   この設定を利用すると図2のようにinode値を取得できます。

inode値を取得できる
図2:inode値を取得できる
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   このようにUserParameterを設定することで、Webフロントエンドのアイテム設定のみで複数のファイルのinode値の監視にも対応することができます。


UserParameter利用の際の注意事項

   UserParameterで用いたスクリプトは、ZABBIXユーザの権限で実行されます。そのため、実行権限がないコマンドは利用できないことに注意してください。

   また、UserParameterの処理に0.5秒以上要した場合はタイムアウトになり、正常に値を取得できないため、処理に時間を要するスクリプトは利用することができません。

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ZABBIX-JP 寺島 広大
著者プロフィール
ZABBIX-JP  寺島 広大
システムインテグレーション、ネットワーク運用管理を経験後、現在は某Linuxディストリビュータに勤務。顧客の監視システム構築の際にZABBIXを知り、仕事の傍らZABBIX-JP Webサイトの作成、管理を行っている。


INDEX
第6回:UserParameter設定で様々な監視を実現
  ZABBIXエージェントの拡張機能
MySQLテンプレートの利用
  UserParameterを活用した監視の例