仮想化、その使い道

2006年6月12日(月)
平 初

マスターイメージ作成のポイント

   マスターイメージを作成する際、次のポイントに気をつけると後々に楽できます。


ディストリビューションで標準添付されているパッケージは導入しておくこと

   RPMパッケージとなっているものはあらかじめ導入し、chkconfigコマンドで無効化しておきます。

不要なサービスは自動起動設定を無効にすること

   例えば、「smartd」「cpuspeed」「kudzu」「rawdevices」などのサービスは、マスターイメージの時点でchkconfigコマンドにて無効化しておきます。

パッケージアップデートを行うこと

   「up2date」「yum」「apt」などのパッケージ管理ツールを用いて、パッケージを最新の状態にアップデートしておくと何度もアップデート作業を行わなわずに済みます。

   パッケージ取得先の指定が必要なディストリビューションの場合、あらかじめ設定ファイルを変更しておくと楽です。

ネットワークインタフェースの設定はDHCPにしておくこと

   IPアドレスを固定にしてしまうと、コピーして作った仮想マシンを同時に起動した際にIPアドレスが重複してしまいます。IPアドレスはコピーした仮想マシンの初回起動時に設定します。

ネットワークインタフェースの設定でMACアドレスを消しておくこと

   最近のディストリビューションのいくつかはネットワークインタフェースの設定ファイルにMACアドレスが含まれていることがあります。後で1つ1つ変更すると面倒なのでマスターイメージ作成時に消しておきます。

rootユーザの初期パスワードには捨てパスワードを使用すること

   捨てパスワードを設定しておくと、第3者に対してマスターイメージをコピーして提供することが容易になります。

rootユーザのbash履歴ファイルを消しておくこと

   suコマンドを実行する際に間違えてコマンドラインにパスワードを入力していたり、コマンド引数にパスワードが入っていたりする場合を想定し、履歴ファイルを消しておきます。



bash履歴ファイル
/root/.bash_history
レッドハット株式会社

サービス事業統括本部 ソリューション・アーキテクト部
ソリューションアーキテクト&クラウドエバンジェリスト

商社系システムインテグレーター、外資系ハードウェアベンダーを経て、現在、レッドハット株式会社にてクラウドエバンジェリストとして活躍。2006年に仮想化友の会を結成し、日本における仮想化技術の普及推進に貢献した。

主な著書に「KVM徹底入門」(翔泳社)、「Xen徹底入門」(翔泳社)、「100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著」(翔泳社)、「Red Hat Enterprise Linux 7がやってきた」(日経ITpro)がある。

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