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企業情報ポータルの機能
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企業情報ポータル(ポータル、注1)は大きく2つの機能から構成されている。1つは、社内の各システム内に分散している情報をポータルに集約して表示する「コンテンツアグリゲーション」である。もう1つは、利用者の属性に応じて情報内容の変更を行う「パーソナライゼーション」である。
※注1:
一般に企業情報ポータル(Enterprise Information Portal)はEIPと略称されるが、本連載では概念としてのポータルと、ソフトウェアやツールとの違いを明確にするため、前者を「ポータル」、後者を「EIPツール」として記載する。
では、それぞれについて次項より解説していく。
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コンテンツアグリゲーション
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例えば利用者が情報を効率的に入手するためには、情報を「知る」あるいは情報に「気づく」手間を省略できる仕組みが重要になってくる。つまりシステムやWebサイトへのリンク情報を表示するだけではなく、利用者が必要とする情報そのものをポータルの画面上に表示することが必要なのである。
コンテンツアグリゲーションは、各システムから情報を収集して「ポートレット」と呼ばれるコンテンツ群をポータルページ上に表示する仕組みである。この機能によって利用者は個別のシステムにアクセスすることなく、必要な情報を手に入れることができる。

図1:ポートレットによる情報の集約 出所:みずほ情報総研 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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データやアプリケーションとの連携
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業務の効率化を実現するためには、Webサイトやグループウェアなどからの情報だけでなく、CRMやERPなど業務パッケージと連携して、業務に直接必要となるデータを収集する必要がある。
通常、データを収集するには、既存システムのデータベースを直接参照したり、アプリケーションが提供するAPIを組み込んで個別に連携ポートレットを開発したりすることが多い。しかし最近では、SOAPなどのWebサービスを介した連携を行ったり、EIPツールが提供するアダプタを利用したポートレットを開発するなど、既存のシステムのデータやアプリケーションの仕様に依存しない連携事例も増えてきている。
既存システムとポータルとの間で、共通のデータ仕様や連携を行うプロトコルを定義する。こうすることで、既存システム側でデータベースの変更が発生した場合でもポータル側の影響は少なくなる。また、ポータル内部でアダプタとアプリケーション(ポートレット)を分離しておけば、既存システムが他のパッケージに置き替わった場合に、適用するアダプタを変更してポートレット側への影響を抑えることが可能である。
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著者プロフィール
みずほ情報総研株式会社 平古場 浩之
システムコンサルティング部コンサルタント
システム開発部門でのSE経験の後、社内システム企画部門、EIP事業企画を経て2003年から現職。現在はナレッジマネジメント、情報共有に関連するコンサルティング業務のほか、EIPやECM(企業コンテンツ管理)、SNS(ソーシャルネットワーク)などのICTツール動向の調査などを担当している。
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