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XAMPP
XAMPPでステップアップする企業Webアプリケーション環境

第1回:5分でわかるXAMPPの魅力

著者:エグザクソン  神野 純孝   2007/1/15
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企業のWebアプリケーション開発環境がLAMPへ移行

   最近、Webアプリケーションシステムを構築する際に「LAMPで行う」という話をよく耳にします。LAMPはWebアプリケーション構築の際に容易に導入を進められることから、大企業でも盛んに用いられるようになってきました。

   LAMPとは「Linux」「Apache」「MySQL」「PHP/Perl/Python」の頭文字をつなげたものです。日本ではWebアプリケーションというとまだまだJavaが主流ですが、世界を見渡すとオープンソースなWebアプリケーションは、ほぼLAMPが独占しているといっても過言ではありません。

   フリーコマースの「osCommerce」やポータルサイトの「Xoops」をはじめとして、SFAやEIP、CMS、ERPなど、ほとんどのアプリケーションがLAMP上で動作することを前提として作られています。極端な言い方になりますが、企業の必要なアプリケーションのすべてをLAMPで運用することが可能だ、ということができます。

   米国などでは、WebアプリケーションがJavaからLAMPの「P」であるPHPやPerlへと非常にはやい速度で移行しつつある上に、さらにマイクロソフトも対LAMP戦略を打ち出してきています。LAMPがJavaや.NETに対抗する第3のプラットフォームとして認められてきたといえます。

   日本でも徐々に、WebアプリケーションはLAMPで構築する、という企業が増えてきています。著名な会社をあげるとすれば、楽天がその代表といえるでしょう。日本一のショッピングモールの楽天では、LAMP環境をシステムの一部に導入し、実際に運用しています。

   また、PHPではありませんが、mixiもLAMPシステムを採用しています。mixiではアクティブユーザが多く、日々膨大なアクセスがありますが、快適なサービスを提供しています。なおmixiのサーバは500台を超える大規模なものです。さらに、フリー百科事典のウィキペディア(Wikipedia)がLAMPで動作していることは有名でしょう。

   このような状況の中、一方でエンジニアの育成に対しても次々に対策が取られるようになってきました。Web 2.0の普及によってニーズが急増しているLAMP技術者を増やすため、LAMP専門校が開設されるなど、徐々にLAMPによるWebアプリケーションが浸透してきているといえます。

パッケージ化されたマルチプラットフォーム対応のXAMPP

   では、「XAMPP」をご存知でしょうか。XAMPPは「ザンプ(ヨーロッパおよび開発者)」または「エグザンプ(アメリカ圏)」と発音し、ApacheやMySQL、PHPなどのアプリケーションを1つのパッケージにまとめ、簡単にインストール/アンインストールできるようにしたものです。構成するアプリケーションはすべてオープンソースソフトウェアで、無償かつ手軽に利用することができます。

XAMPPに含まれるアプリケーション群
図1:XAMPPに含まれるアプリケーション群
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   LAMPはLinuxで動作することが前提となっていましたが、XAMPPはLinuxだけではなく、WindowsやSolaris、Mac OS Xをサポートし、Linuxを利用しない企業であっても、LAMPの環境を利用できるという大きな特徴があります。

   また、バージョンの違いが問題となりやすいPHPについては、PHP4と5を同梱し、使用環境に合わせて切り替えて使用できることから、動作しないアプリケーションがでるといった状況をなくすことが可能です。

   それ以外にも、OpenSSLやphpMyAdmin、Webalizer、FTPサーバ、メールサーバなども含まれているため、これらを複雑な環境設定抜きで利用することができます。

XAMPP
XAMPPは全世界で600万ダウンロード(2007年1月現在)されており、Webアプリケーションの開発/動作環境として広い範囲で使われています。開発はApache Friendsプロジェクトによって行われており、日本語の情報も提供しています。ダウンロードは以下のURLから。

Apache Friends
http://www.apachefriends.org/jp/index.html
XAMPP
http://www.apachefriends.org/jp/xampp.html

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エグザクソン株式会社 COO 神野 純孝
著者プロフィール
エグザクソン株式会社  COO  神野 純孝
8080チップが登場と同時にマイコンの自作をはじめる。1983年、日本ではじめてのパソコン通信サービス、コムコムのハードを作成して以来ハードからソフトウェア含め開発に従事。2001年より、外資系企業にてSolaris、HP-UXなどで各種のエンタープライズアプリケーション導入を行う。2005年より、エグザクソン株式会社に入社。オープンプラットフォームを推進するために、ApacheFriends社と提携を行い、XAMPPの普及を促進させるため活動中。


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第1回:5分でわかるXAMPPの魅力
企業のWebアプリケーション開発環境がLAMPへ移行
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