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Red Hat Enterprise Linux 5
Red Hat Enterprise Linux 5サーバ管理の基礎

第3回:vsftpサーバとNFSサーバの設定

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/6/20
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vsftpサーバ

   vsftpはFTPサービスを提供するサーバで、ファイルのダウンロードやアップロード専用のサーバに利用されます。Red Hat Enterprise Linux 5にFTPサーバを構築すると、FTPクライアントから一般ユーザ権限や匿名ユーザ権限でFTPアクセスが可能となります。以下ではRed Hat Enterprise Linux 5に付属するvsftpを使ってFTPサーバを構築し、FTPクライアントからの接続テストの手順を紹介します。

最低限必要なFTPサーバの設定

   vsftpdサービスをOS再起動時に自動的に起動させるために「chkconfigコマンド」でonにしておきます。

# chkconfig vsftpd on

   次にvsftpdサービスを「serviceコマンド」で起動します。

# service vsftpd start

   コマンドを入力したら、vsftpdサービスが起動しているかどうかを確認します。

# service vsftpd status

   他のサービスと同様にpsコマンドでプロセスが起動しているかどうかを確認しておきます。

# ps -ef |grep vsftpd

   psコマンドでvsftpdのプロセスを確認したときに、vsftpdサービスと設定ファイルのパスが表示されていることを確認してください。vsftpdは設定ファイルとして「/etc/vsftpd/vsftpd.conf」ファイルをデフォルトで読み込みます。どの設定ファイルが読み込まれているのかを注意深く確認するようにしてください。

   実際に「/etc/vsftpd/vsftpd.conf」ファイルを編集して詳細な設定を行うことが必要なのですが、今回は最低限FTPサービスを起動させることを考えて「/etc/vsftpd/vsftpd.conf」ファイルはRed Hat Enterprise Linux 5に含まれるvsftp RPMパッケージに標準添付されているものを利用します。

   デフォルト設定では、FTPクライアントから一般ユーザ権限でアクセスした場合、FTPサーバのユーザのホームディレクトリがFTPのアップロード先ディレクトリになります。匿名ユーザでログインした場合は「/var/ftp/pub」がFTPサーバのディレクトリになります。なおRed Hat Enterprise Linux 5に付属するvsftpでは、rootアカウントでのFTP通信はデフォルトで許可されていません。

FTPのサービスを起動した様子
図1:FTPのサービスを起動した様子
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


FTPクライアントからのファイルのアップロードテスト(一般ユーザの場合)

   次にFTPクライアントからFTPサーバにアップロードするサンプルコンテンツを作成します。サンプルコンテンツはechoコマンドなどでテキストファイルを作成しておきます。

# echo 'Hello vsftp server'> /tmp/vsftptest.txt

   FTPクライアントからFTPサーバへ接続するには「lftpコマンド」を使います。このコマンドは以下のように用います。

# lftp -u ユーザ名 FTPサーバのIPアドレスまたはホスト名

   今回は一般ユーザtestuserでFTPサーバ(IPアドレスは、172.16.10.50)にアクセスしますので、以下のようになります。

# lftp -u testuser 172.16.10.50

   パスワードを入力後、FTPのプロンプトが表示されます。この状態ではFTPサーバにログインできていますので、ファイルをFTPサーバにアップロードしてみましょう。ここではアップロードを行う「putコマンド」を利用します。

lftp testuser@172.16.10.50:~> put /tmp/vsftptest.txt

   すると転送されたバイト数が表示されると、FTPサーバにファイルがアップロードされたことを意味します。正しくファイルがFTPサーバにアップロードされたかを確認するには、lftpコマンドプロンプト上でlsコマンドを入力します。するとvsftptest.txtファイルがあることが表示されます。

lsコマンドでsftptest.txtファイルがあることを確認
図2:lsコマンドでsftptest.txtファイルがあることを確認
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   今回は一般ユーザであるtestuserアカウントでログインしてファイルをアップロードしました。FTPサーバの「/home/testuser」ディレクトリにアップロードしたファイルが保管されますので、FTPサーバ側でも確認しておきましょう。

   FTPサーバ上で「su - testuser」コマンドを実行してtestuserアカウントに移行し、「/home/testuser」ディレクトリのファイルをlsコマンドで確認します。図3のようにアップロードされたvsftptest.txtファイルが存在していればFTPサーバは稼動しています。

FTPサーバ側でも確認する
図3:FTPサーバ側でも確認する
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第3回:vsftpサーバとNFSサーバの設定
vsftpサーバ
  FTPクライアントからのファイルのアップロード試験(rootユーザの場合)
  NFSサーバ
  NFSクライアントからの接続テスト