Tomcatって何ができるのですか?

2007年8月2日(木)
羽倉 敬

サーブレットコンテナの種類

サーブレットコンテナはその動作形態によって大きく3つのタイプに分けられます。

スタンドアロン型

サーブレットコンテナ自身がWebサーバを内蔵しているタイプです。Tomcatもこのタイプのコンテナになります。

内部プロセス型

Webサーバのアドオンとして動作するタイプで、Webサーバのプロセスの一部としてコンテナが動作します。Webサーバとコンテナが同じリソースを共有するため、高速な動作が期待できます。

外部プロセス型

Webサーバのプラグインと外部プロセスとして動作するコンテナまたは別のサーバ上で動作するコンテナが連携するタイプです。内部プロセス型に比べレスポンスは劣りますが、Webサーバと複数のWebコンテナを組み合わせることができるため、スケーラビリティは高くなります。

Tomcatを含め多くのサーブレットコンテナ(注1)は、これら複数のタイプに切り替えて使うことができ、使用環境に応じた設定が可能です。


※注1: サーブレットコンテナは、現在ではサーブレットだけでなく JSP(JavaServerPages)、JSF(JavaServer Faces)、JSTL(JSP Standard Tag Library)、JWS(Java Web Services)など様々な後続技術に対応するようになっています。このため、Webアプリケーションを動作させたるめのコンテナという意味で、 「Webコンテナ」と呼んだり、Webサーバ機能を併せ持ったコンテナのことを特に「アプリケーションサーバ」と称すことがあります。

J2EEアプリケーションサーバ

Sunは大規模なWebアプリケーションの構築を容易にするための機能セットとして、複数のAPIからなるJ2EE(Java2 Platform Enterprise Edition)を定義しています。実はこれまで見てきたサーブレット/JSP技術はJ2EEの一機能に過ぎません。

J2EE APIはWebアプリケーション開発を直接手助けするものではなく、J2EEアプリケーションサーバという特別なサーバを使うことで必要な機能を提供します。そしてJ2EEアプリケーションサーバの一部の機能がサーブレットコンテナなのです。

J2EEアプリケーションサーバは現在、商用・フリーを取り混ぜて様々なものがリリースされています。J2EEアプリケーションサーバは当然サー ブレットコンテナ機能を備えている必要があり、一部のJ2EEアプリケーションサーバはTomcatをその一部として取り込んでいます。

現在リリースされているJ2EEアプリケーションサーバについてはSun Developer NetworkのJava Servlet TechnologyというWebページで一覧が参照できます。また詳細についてはJ2EEのサイトを参照ください。


Java Servlet Technology
http://java.sun.com/products/servlet/industry.html
J2EEのサイト
http://sdc.sun.co.jp/java/j2ee/
※対象ページ閉鎖
株式会社ビーブレイクシステムズ

千葉大学法経学部卒業。大学時代よりオープンソースに興味を持ち、オープンソース専業ベンダーのビーブレイク システムズに入社。現在に至る。また、現在は社内技術サークルの中心メンバーとして日々提案・啓蒙活動を行う。座右の銘は「自らが求めてつくらなければ、 自身が求めるものはできない」

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています