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ハードウェア管理インターフェースIPMI
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IPMI(Intelligent Platform Management Interface)はサーバのCPU、バス、ファン、温度センサ、電圧、ファンなどの基本コンポーネントの監視や遠隔地からの制御などを行うためのインターフェース仕様のことです。ハードウェア管理を行うために標準的なインターフェースを利用することで、そのインターフェースを搭載したサーバはベンダーの種類に関係なく共通の手法でハードウェア管理作業を実行することが可能となります。
IPMIによってサーバを管理するには、そのハードウェアに関するIPMI設定を行う必要があります。最低限の設定としては以下があげられます。
- IPMI管理用LANポートと管理サーバのLANポートの接続
- IPMI搭載の管理対象サーバにおけるIPMIのIPアドレス設定
- シリアルコンソールの設定
表1:IPMIによるサーバ管理における最低限の設定項目
IPMIでは管理対象サーバの入出力の設定をシリアルコンソール経由で行うのが一般的です。正しく設定を行わないと、管理対象サーバのOS起動後の状態をIPMI経由で取得することができません。したがってIPMIでより完全に管理対象サーバを管理するためには、上記の項目に加え、さらに以下の項目を設定する必要があります。
- 管理対象サーバのブートローダの設定
- 管理対象サーバのカーネルのロード時における設定
- 管理対象サーバのOS起動時における設定
表2:対象サーバを管理するために必要な設定項目
それではIPMIを使ったハードウェアの管理として、管理対象サーバの遠隔地からの電源オン/オフ、コンソール表示など、管理者が知っておくべき基本的な情報取得に関する手法を述べます。
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BIOSにおけるIPMIの設定
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管理対象サーバでまず設定しなければならないのはIPMIの有効化です。IPMIは通常BIOSから設定を行います。サーバの種類によってIPMIの設定項目が異なりますが、管理対象サーバの電源を投入し、BIOSの設定画面に移行します。
するとIPMIに関する設定が表示されます。例としてProLiantサーバのローエンドモデルに搭載されているPhoenix BIOSではAdvancedに設定項目があります。IPMIの設定については以下のドキュメントをみながら行います。
このBIOSにてIPMI管理用ポートにIPアドレスを付与します。IPアドレスは管理用サーバと同一LANセグメントに属するように設定してください。IPアドレスを設定したら、管理用サーバからpingコマンドを使ってIPMI管理用ポートで通信が行えるかどうかテストします。
次にユーザアカウントを作成します。ユーザはadminやadministratorなどIPMIでの管理専用アカウントを付与します。IPMIを利用する上で重要な設定項目として「シリアルポート」があげられます。IPMI経由でのコンソール表示では、OSが起動した後の情報も表示させたいことがあります。その場合、OS側で出力先をシリアルポートに設定しますが、その出力をIPMIにリダイレクションしなければなりません。この設定はIPMIの「Serial Port Assignment」メニューまたは「IO Device Configuration」で設定します。
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。
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