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第2回:もしも平賀源内が35歳でレジュメを書いたら
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第2回:もしも平賀源内が35歳でレジュメを書いたら
編者:Tech総研  2006/11/8
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はじめに もし平賀源内が転職するとしたら……歴史をひもとき、レジュメを代筆
 登録しておけば市場価値を相対的に把握できたり、登録者のレジュメを熟読した企業から、スペックや志向にふさわしいメッセージが届く、エンジニアのキャリア形成に役立つリクナビNEXTスカウト。ところが、いざ登録するためにレジュメを作り始めてみると、自分のことをうまくアピールできずに苦労するエンジニアは多い。そこで、Tech編集部はだれもが知っている超有名エンジニアのレジュメを作成してみることで、何かしらのヒントが得られるのでは?と考えた。

 今回取り上げたのは「平賀源内」。歴史的人物を題材にしたこの架空の「レジュメ」シリーズで、初の日本人の登場である。

 平賀源内、というと多くの人が「エレキテルの発明者」とまず思い浮かべるだろう。しかし、源内はエレキテル以前に、多くの「日本初」を成し遂げている。全国規模のエキスポを成功させたり、歯磨き粉の宣伝コピーを考案したり、「土用の丑の日にはうなぎを食べる」という習慣を生み出したのも、平賀源内である。

 源内の仕事のスタイルは、思い浮かんだアイデアを次から次へと実行に移し、開発案件に携わり、事業を興してはそれを人に任せて、自分は次の企画に取り組むというもの。源内のことを「先生」と慕う者は多かったようだが、一方で、足軽の家に生まれ、武士としては最下級の身分でありながら、藩主や著名な学者、さらには幕府の要人からも目をかけられる源内のことを批判・中傷する者も多かったようだ。彼が、藩を飛び出して江戸に向かったのも、同僚たちのそうした視線に耐えかねたのも一因にあると言われている。つまり、江戸に出た源内には、どうやら「これで身を立てよう」という確固たる信念や志が定まっていたわけではないようである。多くの分野で次々とアイデアを事業化していった彼の仕事のスタイルは、このときから始まっていたわけだ。そういう意味では、発明家・科学者としてだけでなく、平賀源内という人は、プロデューサーや起業家、実業家としての才能も持ち合わせていたことになる。

「自分はこの分野で道を極めたい」といった決定的な目標はもっていなかったであろう平賀源内が、もし自分をアピールするとしたら、どんな「レジュメ」を書くのだろうかというのが今回のテーマ。転職によるキャリアアップを希望しているが、将来の自分の目標はまだ定まっていないというエンジニアの方に、レジュメを書くうえでのヒントにしていただければ幸いである。

 それでは早速、平賀源内35歳の「職務経歴」「自己PR」「キャリアプラン」をご覧いただきたい。

profile
1728年、現在の香川県志度町に生まれる。1740年、藩医の久保桑閑、漢学者の菊池黄山、本草学(薬草学)と陶芸に詳しい三好官兵衛らに師事して、本草学、医学、陶器製造を学ぶ。1752年、25歳で、久保桑閑に伴われて長崎へ遊学。世界情勢、西欧の科学技術、日本の海外貿易の実態などを目の当たりにする。

【職務経歴編】Tech総研編集部の仮説 さまざまな分野で旺盛な活動を重ね、誰もが未体験のことを成し遂げたことなど、多彩な実績をアピールするはず

1753年(26歳) 広島で陶土を発見し、陶器製造を指導
長崎遊学からの帰路、鞆之津(現在の広島県福山市鞆)付近で良質の陶土を発見し、そこで地主である溝川家に陶器製造を勧め、製造法を指導しました。
1754年(27歳) 高松藩の薬坊主並・三人扶持に昇格……(ポイント1)
栗林公園内の薬草園で、朝鮮人参の栽培に成功。また、甘薯栽培や砂糖の精製に関する知識と技術を藩主・松平頼恭公に評価され、薬坊主並・三人扶持という異例の俸禄を得ました。
1755年(28歳) 量程器、磁針器を制作
長崎遊学で得た知識をもとに、距離を測るための装置「量程器」(現在の万歩計)と、方位を知るための装置「磁針器」(現在の羅針盤)を独力で制作することに成功しました。
1757年(30歳) 日本初の薬品会を開催……(ポイント2)
田村先生に勧めて、先生はじめ著名な本草学者の方々が所有する薬草・薬品を集めて展示する、日本で初めての薬品会を江戸・湯島で開催しました。出品点数は総計180種ほどで、出品物や会場の手配、開催の案内、運営など、一切を私が取り仕切りました。
1759年(32歳) 第3回薬品会(物産会)を主催
田村先生に代わって私自身が主催となり、第3回薬品会を開催しました。この回から、薬草・薬品に限らず、鉱石やオランダの物産なども出品するようにして、物産会に規模を広げ、多くの参観者から評判を得ました。
1760年(33歳) 薬坊主格・四人扶持・銀十枚に登用
高松藩主・松平頼恭公の命を受けて、京都に随行。その後、頼恭公の要請で、相模湾での貝類の調査、紀伊半島での物産の調査、高松藩領内での本草の調査などに従事し、調査結果のまとめを指揮しました。
また、この間に、薬坊主格・四人扶持・銀十枚に昇格しました。
1761年(34歳) 伊豆で芒硝(硝石)の採集に従事
高松藩を正式に辞職し、国内外の物産研究に役立つ『禽獣譜』『生植本草』『貝譜』『紅毛花譜』などのオランダの本を入手。
その後、幕府から伊豆芒硝御用を申し付けられ、伊豆の上船原温泉近くで芒硝(硝石)の採集に取り組み、芒硝のほか、黄ミョウバンやコバルトなども発見しました。
1762年(35歳) 出品数1300種を超える第5回物産会を主催……(ポイント3)
第5回物産会を主催。出品物を、草木・鉱石・鳥獣・魚介・その他珍品など大幅に拡大し、出品希望者も全国から募集しました。出品者に便宜を図るため、全国に25カ所の諸国物産取次所を設けて、取次所から江戸までの出品物の輸送は主催者負担としました。こうした輸送には、日本一の飛脚問屋である京屋弥兵衛の協力を得てその結果、全国から実に1300種を超える出品物が集まり、全国規模の物産会となりました。

【職務経歴】 Dr.スカウトの分析「企業はこう見る!」
 平賀源内は、ただ好き放題に興味の赴くまま、いくつものプロジェクトを立ち上げていたわけではない。そこには、産業を興して国を豊かにすることが、人々を幸福にすることにつながるという思いがあった。当時の日本は、薬草や生糸、西洋陶器などを海外から輸入し、その代金として法外な額を金や銀、銅などで支払っていた。いわば、貿易赤字を垂れ流している状況だったのである。その現状を長崎で知った源内は、わざわざ海外から輸入しなくても、国内で調達できるものが数多くあるはずだと確信する。そうした考え方は、実は社会の支配者層の中にもあった。源内が異例の俸禄を得たのは、藩主・松平頼恭が、藩の財政再建に貢献する産業の育成を源内に期待したからである(ポイント1)。若くして実力者(=藩主)の期待を担った実績は、おおいにアピールポイントとなる。

 江戸へ出た源内は、著名な本草学者である田村藍水に入門し、わずか1年足らずで、それまで日本ではまったく行われたことのない薬品会、つまりは薬草・薬品に関する見本市を、自らが企画・演出・運営して実現してしまう(ポイント2)。本草学の研究のため、ひいては、病に苦しむ人々に効く薬(薬草)を国内で調達・栽培するための薬品会であったが、源内のプロデューサーとしてのたぐいまれな資質をうかがわせる実績でもある。

 そして、平賀源内は、ついに日本初のエキスポを実現してしまう(ポイント3)。日本全国、それも一般の人から出品物を募集するという源内の企画力は、当時の日本にあって突出している。しかも、その募集を実効のあるものとするために、全国各地に出品物の取次所を設けている。これは、現在でいう宅配便のシステムであり、責任ある品物の輸送と、送料着払いの集荷体制をつくり上げたことは、物産展の開催以上に驚きに値する仕事である。
傑出したアイデアマンとしてだけでなく、現実に人を動かしてアイデアを実現することができる源内の才覚が、よくわかる職務経歴書である。

職務経歴作成の詳細に関しては、こちらをチェック!
企業にスカウトされるレジュメ作成術 職務経歴編


リクナビNEXT 次のページでは、平賀源内の自己PRと目指すキャリアプランについて分析し、評価されるべきポイントを読み解きます。 続きはこちら>>

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