そこで、今回の性能評価機能の開発にあたり、Kernel 2.4への対応も同時に行った。具体的には、今回開発した性能評価機能をMIRACLE LINUX V3.0用に移植し、この機能を利用するために必要なモジュールをすべてRPMパッケージに取り込むことによって、LKSTの性能評価機能をより利用しやすい環境を整えた。
本記事では、MIRACLE LINUX V3.0を利用した実践的なLKSTの利用について紹介する。
Kernel 2.4への移植
ミラクル・リナックスでは、「MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1」からLKSTの組み込みを行っている。今回、ベースとなっている「MIRACLE LINUX V3.0 - Asianux Inside」では、LKST v2.0.1が既に組み込まれている。
LKSTのフックポイントには、NORMAL形式とINLINE形式の2種類があり、複数の箇所で同じフックポイントを利用する場合には、INLINE形式を利用する必要がある。MIRACLE LINUX V3.0のKernelでは、メモリの確保や解放といったメモリ関連処理で、同じようなコードが何箇所かに分散されている。このような箇所で、オリジナルのLKST v2.2ではNORMAL形式のフックポイントが1箇所だけであったものを、INLINE形式に変更して複数箇所に追加する必要があった。
著者プロフィール ミラクル・リナックス株式会社 武田 保真
2001年入社。「MIRACLE LINUX Standard Edition V1.1」から製品開発に携わり今に至る。Samba、Kernelなどのパッケージメンテナンスを経て、最近はAsianuxプロジェクトでの製品開発が主な業務。気になったことにはすぐ手を出すために、一時期はインストーラも担当していたほど、ミラクルの何でも屋担当。