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はじめに
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Ajaxは、枯れたオープンスタンダードなWeb要素技術を組み合わせた手法に対する名前であり、「Asynchronous JavaScript + XML」の略称である。
2005年2月にその名前が登場して以来、IT業界を賑わせているAjax。本連載ではAjaxについて整理しつつ、その本質と可能性を追求する。
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Ajaxが生まれた背景
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まずは、Ajaxが生まれた背景をおさえる必要がある。そのためにはAjaxとは切り離せないインタラクション・デザインに触れておかなければならない。
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iPodにおけるインタラクション・デザイン
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読者の皆様の中にも、Apple社の「iPod」で音楽を楽しんでいる方は多いと思う。
iPodのディスプレイの下のスクロールホイールを指で回すと、すぐに反応して画面上のカーソルが上下に動く。スクロールホイールを速く回すほど、カーソルの移動は速くなる。中央のボタンを押せば曲を選択できる。
実は、これはとても優れたインタラクション・デザインだ(少なくとも筆者はそう考えている)。
つまり、インタラクション・デザインとは、「人と操作対象との対話がスムーズに進むようにインタラクション(相互作用)をデザインする」ことだ。ユーザにとっては、インタラクション・デザイン自身が商品とも考えられる。
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コンピュータにおけるインタラクション・デザイン
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これをコンピュータに置き換えてみよう。
人がコンピュータを使ってある目的を達成する場合、「人が入力 → コンピュータで処理 → コンピュータが出力 → 人が解釈」といったサイクルを繰り返すことになる。

図1:コンピュータのサイクル
この人とコンピュータの対話のサイクルがスムーズに流れるためには、マンマシンインターフェースやレスポンススピード、体感を含む総合的なインタラクション・デザインが必要になる。
適切なインタラクション・デザインがなされていなければ、人は思考を中断され続けたあげく、ストレスに蝕まれ、WebアプリケーションやWebサイトの利用率は低下していくだろう。
ところが、WWWが登場して以来、デスクトップアプリケーションとWebアプリケーション(プラグインレスでAjaxを適用しないクラシックモデル、以下クラシックモデル)のインタラクション・デザインには依然としてギャップが存在している。
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著者プロフィール
株式会社HOWS 研究開発担当 園辺 康弘
UNIX系業務システムおよびWebサイトにおけるプログラミング、システムインテグレーション、インフラ構築を経て、システムアーキテクチャの重要性に目覚める。その後、CTOの視点で、現代のSense-React型経営に追従するためのコンポーネント指向のシステムアーキテクチャ、先進テクノロジーの研究活動に従事。現在はAjaxを含むWeb2.0に関わる技術のリサーチと研究に没頭。音楽と馬をこよなく愛する。
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