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第3回:ITインソース/アウトソースの判断
監修者:野村総合研究所 淀川 高喜 2005/11/24
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| インソース/アウトソースの判断
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経営がITに重要な戦略的価値を見出し、「コストをかけてでもインソース主体でITを推進したい」という方針を持った企業であれば、インソース/アウトソースの領域判断は比較的容易である。しかし、多くの企業はそのような状況にあるわけではない。多くの企業では、むしろ経営からの度重なるITコスト削減やIT要員数適正化の要請があるのが現実である。こうした要請を受けながら、自社のITサービスのレベルを維持・向上させていくためには、入念なインソース/アウトソース領域の設計が必要になってくる。
インソース/アウトソースの判断には、多くの利害関係者が絡む場合が多い。このため、図1のようなマトリクスを使って、ITサービスをわかりやすく整理し、関係者間で次のような手順を検討することが有効となる。
図1:システムの性格に応じたアウトソーシング方針
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| (1)自社IT運営の現状整理
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まず、自社のIT運営の強み・弱み、ITサービスの要件(品質重視、スピード重視など)、リソース状況(IT要員数、IT予算)などを明らかにする。ITサービスの要件やリソース状況については、今後の傾向も把握する。
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| (2)インソースとアウトソースの領域の概略決定
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次に、図1のマトリクスをもとに、各システム領域のうち、いずれをインソース主体で行い、いずれをアウトソース主体で行うかを決定していく。そのために、まず他社事例とその効果を参考にして、考えられるパターンを数種類用意する。そして、それらを自社に当てはめた場合のメリットやデメリットを整理する。それぞれのメリット、デメリットを比較検討し、その上で、1つもしくは2つ程度の案に絞り込んでいく。
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| (3)各システム領域におけるアウトソース範囲の決定
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インソース主体としたシステム領域、アウトソース主体としたシステム領域それぞれについて、具体的にどの工程をアウトソースするかを決定していく。場合によっては、マネジメントサービス的なことまでアウトソースするか否か、という判断も行わなくてはならない。
なおこの作業を進めていくと、(2)のマトリクスによる整理の結果が覆されるシステム領域が出てくることもしばしばある。例えば、ITサービスの要件として品質やスピードを重視するシステム領域や、セキュリティ上、特に重要な情報を取り扱うシステム領域については、図1のマトリクスによる整理結果とは別の判断が必要になる場合も当然出てくる。
例えば、もろもろの事情を考えた結果、(2)のマトリクスによる整理結果ではアウトソースを行うべき領域とされたものであっても、あえてインソース主体で行うべきであるとの判断を下す場合は、(3)の判断を優先する。
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| (4)実現性、留意点の整理
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最後に、このようにして決めたアウトソース領域に対して実現性と留意点の整理を行う。実現性については、まかせられる力量のあるアウトソーサーはどこか、またアウトソーサーにまかせた際の費用対効果の妥当性はどうかなどを検討する。留意点としては、まかせた際にアウトソーサーに対してコントロールをどう働かせるか、まかせる前に自社でやるべきこと(例:作業工程の標準化)などを整理する。
実際にインソース/アウトソース領域を白紙設計することは、新規企業でもない限りあり得ない。多くの企業では、インソース/アウトソース領域について、現状を見直す形でこの作業を行うことになる。
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監修者プロフィール
株式会社野村総合研究所 淀川 高喜
プロセス・ITマネジメント研究室長 兼 金融ITマネジメントコンサルティング部長。国家試験 情報処理技術者試験 試験委員会 委員。1979年野村総合研究所入社。生損保、銀行、公共、運輸、流通、製造業などあらゆる分野における幅広いシステムコンサルティングに携わる。専門は情報技術による企業革新コンサルテーション、情報システム部門運営革新コンサルテーションなど。
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