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オープンソースのECM「Alfresco」、来日中のCEOに聞いたコンテンツ管理の重要性とは

Alfrescoは、企業などにおけるコンテンツの管理を行うオープンソースのECM(Enterprise Contents Management)で、同名の英国企業が提供している。10月の下旬に開催されたイベント「Alfresco Day」のため来日した同社CEOのDoug Dennerline氏に、ECMの重要性と、日本での活動を含めたAlfrescoの今後を聞いた。

この日は日本法人の代表を務める中嶋博氏も同席し、通訳を交えながら終始フランクな調子で、Alfrescoについての質問に答えてもらった。

編集部:AlfrescoのCEOに就任して9ヶ月経った。同社の強み、弱みはどこにあるか?

Dennerline氏:強みは、企業のコンテンツ管理を熟知したコミュニティと、何百万ものユーザーだ。ユーザーのニーズをくみ上げ、ソフトウェアの機能を強化するサイクルが上手く回って、売り上げにつながっている。

ただ、まだまだ伸びしろはある。Alfrescoはこれまで技術志向の会社だった。それが、一概に弱みとは言い切れないが、もっとセールスも強化する必要がある。特に、企業ユーザーに対して、より強くアピールしていきたい。また、従来は、欧州での活動がメインだったが、目下、エリアの拡大も進めている。

Alfresco社CEOのDoug Dennerline氏

編集部:企業に訴求するために、何が欠けているか?

Dennerline氏:ソフトウェアそのものは、すでに十分な機能を備えていると思う。必要なのは、法規制や業界慣習に合わせたいチューニングだ。例えば、米国の政府機関と取引するためには、「508コンプライアンス(米国修正リハビリテーション法508条)」に準拠する必要がある。視覚障害や、聴覚障害を負った人々が、一般人と変わらずアクセスできるよう、UIを設計することを義務付けた法律だ。市場開拓に必要な対応を進めている。

編集部:今のところ、欧州では政府や金融機関での利用が先行していると聞いた。具体的な利用ケースを教えてほしい。

Dennerline氏:もっとも多いのは、ワークフローの管理だ。例えば、金融機関の融資業務などが分かりやすい。申込みから承認、契約に至るまで、ドキュメントを介して、さまざまな人間がやり取りする。一連のプロセスと文書を管理するため、Alfrescoを使う。

もっと身近なところで言えば、営業資料の共有に利用する企業も多い。Alfresco上で、製品カタログやプレゼンテーション資料を作成する。Alfrescoを利用すれば、回覧のフローやバージョンを管理できる。資料が完成したら、Alfresco上でコンテンツを配布する。コンテンツの活用状況もチェックできる。例えば、6ヶ月間誰も使ってないのであれば消してしまう、といった運用も可能だ。

編集部 : 商慣習の文化の違いについて対応する予定はあるか?例えば日本の場合など

中嶋氏:もちろん、ビジネスプロセスやITの考え方は国によって異なる。一律に同じ温度でやることは考えていない。製品と文化のギャップは、各国のパートナーが吸収している。Alfrescoは、全世界に約250社のパートナーがいる。国内でも約10社と契約を結んでいる。各社が国内の事情に通じているのは言うまでもない。それぞれ得意とする業界をもち、優れた提案をしている。

アルフレスコ・ジャパン株式会社代表の中嶋博氏

編集部:Alfrescoを本格的に企業利用するためには、それなりの設計や開発が必要になる。パートナー企業の数が足りているか。

中嶋氏:日本国内のパートナーはまだ十分とは言えない。新しいパートナーの開拓も進めている。ただ、企業数を増やすだけでは不十分だ。ビジネスプロセスに密接に関連しているだけに、業務に詳しいパートナーを巻き込む必要がある。様々な業種・業態をカバーできるように意識している。

Dennerline氏:ちなみに、開発なしですぐに使い始められる、Alfresco Shareというアプリケーションも用意している。もちろん、オープンソースなので、Javaスキルがあればゼロから構築することも、カスタマイズも可能だ。

編集部 : 世界的に見て、ユーザーの分布に偏りはあるか?

Dennerline氏: 現在は米国と欧州で50:50くらい。今後も重要なエリアにフォーカスしていく。日本は、最優先で開拓すべき市場の1つ。まとまった投資をしている。製品を日本語化したほか、国内でのサポート体制も整えた。日本語でのトレーニングも可能だ。マニュアルやデータシートも日本語化を進めている。

中嶋氏:コンテンツ管理は簡単なようでいて、実はそうではない。ファイルの重要度は、時間の経過や、ビジネスの状況によって変化する。単なる下書きと、いくつもの承認を得て決済された書類では、扱い方も異なる。単にファイルを格納するフォルダを提供するだけでは不十分なのだ。

文書が、ビジネスプロセスのどこに位置し、誰が閲覧権限を持つか、どの程度、保護すべきかを理解しなければ適切な管理はできない。Alfrescoはこうした背景情報を、メタデータとしてファイルに付与し、ワークフローと連動して管理できる。こうした点まで考えて設計しているソフトウェアはそう多くない。

日本のWebサイトも日本語化が進んでおり、日本でも積極的に活動していくとのことなので、今後の動きに注目したい。

この記事の著者

Think IT編集部