ゼロからわかるAndroid Studioインストール手順(Windows版 v2.2.2対応)

2016年11月25日(金)
羽山 博(はやま ひろし)

Androidアプリケーション(以下Androidアプリと略します)を作るためには、アプリケーションを開発するためのソフトウェア(開発環境)が必要になります。それがAndroid Studioです。この記事の執筆時点では、Android Studio 2.2.2.0が最新となっています。

手っ取り早くAndroidアプリの作り方だけを学びたい人にとっては、よく知っている人に開発環境を整えてもらうのが近道のように思えますが、やはり自分が「よく知っている人」になりたいものです。開発環境を整える作業の中で学べることもたくさんあります。

この記事はWindowsでの構築手順を解説したものです。Mac版はこちらの記事をご覧ください。

インストールにあたっての簡単なガイド

Androidアプリを作るにあたって、さしあたり必要なものはパソコンとインターネット接続だけです。アプリケーションを作成するためのソフトウェアはインターネットからダウンロードできます。また、Android端末がなくても、エミュレーター(Android仮想デバイス)と呼ばれるソフトウェアを使って、パソコン上でAndroidアプリが実行できます。

最初に、開発環境のインストールでは何をするのか、日常生活のたとえで簡単に見ておきましょう。全体のイメージをつかんでおくと見通しがよくなります。そういう話はいいから手順だけ知りたい、という人は以下のリンクをクリックして、先に進んでもらって構いません。

JDKとはJavaと呼ばれるプログラミング言語を使って、プログラムを開発するためのツールです。この後、いくつか専門用語が登場するので、あらかじめ簡単に説明しておきましょう。難しそうに見える専門用語や考え方も、私たちが日常生活で経験していることとよく似ているので、身構えることはありません。Android アプリケーション作成のための準備は、なんと、料理やケーキ作りのための準備とほとんど同じなのです。

Androidアプリ作成の準備はケーキ作りの準備と同じ

Androidアプリを作成するための開発環境を整えるには、以下のような準備が必要です。しかし、実際にはステップ2の操作だけで済んでしまいます。

以前は、ステップ1〜ステップ3までを順に実行する必要があったのですが、Android Studio 2.2にはJDKが組み込まれているので、それを使うのであればステップ1は不要です。また、ステップ3も自動的に実行されます。

  • ステップ1 どんなプログラムを作るときにも必要な部品や道具(JDK)を揃える
  • ステップ2 Androidアプリを作るために必要な部品や道具(Android Studio)を揃える
  • ステップ3 Androidアプリをパソコン上で実行できるようにする(Android仮想デバイスを用意する)

手順そのものは簡単ですが、Android Studioを使ったアプリの作成にどのようなものが必要になるかを知っておくことは重要です。そのために、これらのステップでどういったものが準備されるかを確認しておきましょう。

ステップ1のJDKとはJavaと呼ばれるプログラミング言語を使って一般的なプログラムを作るための部品や道具をひとまとめにしたものです。料理で言えば、どんな料理を作るときにも必要になるしょうゆや砂糖、塩などの材料、まな板や包丁などの道具にあたるものです。JDKはOracleのサイトからダウンロードできますが、Android Studioに組み込まれているものも使えます。

JDKはJava Development Kit(=Java開発キット)の略だよ

ステップ2のAndroid StudioはAndroidアプリを作るための部品や道具をひとまとめにしたものです。料理のうちでもケーキ作りという特別な目的のためにはバニラエッセンスやチョコチップなどの材料、ペストリーボード(生地がくっつきにくい台)や口金(飾り付けのクリームを絞るために使う)などが必要です。それと同じように、Androidアプリを作るための特別な部品や道具を揃えるというわけです。

最後のステップ3では、パソコンの画面上にAndroidスマートフォンやAndroidタブレットの画面を表示して、そこでアプリを実行するための道具を揃えます。パソコンの中にあたかも(仮想的に)、Android機器があるかのような働きをするソフトウェアなので、「仮想」デバイスと呼ばれます。なお、デバイスとは装置という意味です。

ところで、ケーキを作るには、材料や調理器具を揃えるのにずいぶんとお金がかかります。Androidアプリを作成するにも……と不安になる人がいるかもしれませんが、ご安心ください。Androidアプリを作成するための部品や道具はインターネットからすべて無料でダウンロードできます。

ここでは、以下の環境を利用した場合の手順を示します。macOSの場合はここから、Windowsの場合はここから始めてください。

OS ブラウザー JDK(*) Android Studio
macOS 10.12.1(Sierra) Safari 10.0.1 Android Studioに組み込まれているものを使う Android Studio 2.2.2.0
Windows 10 Pro ビルド14393.447 Microsoft Edge 38.14393.0.0 Android Studioに組み込まれているものを使う Android Studio 2.2.2.0

(*) JDKをインストールしなくてもAndroid Studioは利用できますが、この記事ではJDKのインストール方法も紹介しています。執筆時点の最新バージョンはJDK1.8(Java SE 8u111)です。なお、macOSの場合、JDK1.8ではAndroid Studioの安定性が低下する場合があるようです。学習のために利用するのであれば、大きな問題はないと思われますが、業務での使用など、安定性が重要な場合は、JDK1.6をインストールすれば改善されます。ただし、JDK1.6はEl Capitanまでの対応となっており、Oracleのサイトからではなく、Appleのサイトからダウンロードする必要があります。

Android Studio 2.2にはJDKが組み込まれているので、それを利用してできるだけ早くプログラミングを体験したいという方は、2ページは飛ばして、3ページから始めてもらっても構いません。
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イラストでよくわかるAndroidアプリのつくり方—Android Studio対応版

羽山 博/めじろまち 著
価格:2,200円+税
発売日:2015年6月5日発売
ISBN:978-4-8443-3813-0
発行:インプレス

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著者
羽山 博(はやま ひろし)

京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業後、NECでユーザー教育や社内SE教育を担当したのち、ライターとして独立。ソフトウェアの基本からプログラミング、認知科学、統計学まで幅広く執筆。読者の側に立った分かりやすい表現を心がけている。2006年に東京大学大学院学際情報学府博士課程を単位取得後退学。現在、有限会社ローグ・インターナショナル代表取締役、日本大学、青山学院大学、お茶の水女子大学講師。 最近の趣味は書道、絵画、ウクレレ、ジャグリング、献血。

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