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YouTube10周年 — これまでの歴史を振り返る

2015年3月3日(火)
ReadWrite Japan

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動画共有サイトであり、莫大な広告収入を産み出すYouTubeは、バレンタインデーの土曜に10周年を迎えた。

YouTubeは手作りサイトから出発し、10年かけて、アマチュアもプロも作品を発表できる人気サイトへと成長を遂げてきた。では、ミスター・ピーボディ(※1)のタイムマシンWABACに飛び乗って、YouTubeがどのようにして皆から知られ愛され、広告収入10億ドルを突破するスター輩出エンジンとなったか見ていこう。

※1 2014年のロブ・ミンコフ監督映画『Mr. Peabody & Sherman』(日本未公開)の主人公で、世界一賢いしゃべる犬

Hello, World!

2005年、チャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらはカリフォルニア州サンマテオのオフィスでYouTubeを生み出した。

彼らは同サイトのために商標、ロゴ、ドメインを登録し、間もなく、彼らは最初のアップロードを投稿した。それはゾウの前にいるカリムを撮った『動物園の僕』というタイトルの動画だった。

瞬く間に、この映像はメディアとの関わり方を大きく変えた。カメラを持つ誰もが、わが子やおかしなことをするペットの映像をアップロードできるようになったのだ。ビデオダイアリーを始めて世界中に見てもらいたい?今やそれが可能だ。

その動画は現在もYouTubeに存在し、気楽なものからインターネット世界特有の煽り文句まで、未だに様々なコメントが投稿されている。

その価値とは

2006年6月、YouTubeは1日に65,000本の動画がアップロードされていると公表した。同年10月、グーグルはリッチー・リッチ(※2)を二度見させるほどの驚くべき金額で同社を買収した―株式交換によって、16億5,000万ドルも拠出したのだ。

※2 ハーヴェイ・コミックに登場する金持ちのキャラクター

2006年に最も人気となったバイラルビデオの一つが、上の『ダンスの進化』だ。

当時、この検索エンジンの巨人にとって、この投資は賢明か否かという疑問があった。しかし、YouTubeにとっては重要な取引だと考えられた。同サイトは広告収入を生み出すにあたり、助言を仰げる強力な新しい権力者を手に入れたわけだ。

グーグルはYouTubeに関する詳しい財務成績を公表していないが、昨年は11億3,000万ドルの動画広告収入があったと推定されている。これは全米のデジタル動画広告の20%を占めるほどだ。現在、YouTubeアプリは携帯電話からスマートTVに至るまであらゆる媒体で利用されており、1分間に300時間近くの動画がアップロードされている。

アップロードからスターが生まれる

もはやYouTubeは、お父さんお母さんが、リトル・スティーヴィー・ワンダーのように可愛いわが子がシリアルを楽しげに食べる映像を上げるためだけの場所ではない。同サイトはあらゆる種類の動画を生み出してきた―想像もつかないような動画が実際にあるのだ。

レベッカ・ブラックの『フライデー』は多くのアンチを寄せつけたが、同時に多くの人がこの動画を視聴した。オリジナルと現在アップロードされているもの(上の動画)を合計すると、この動画の再生回数は2億回を超えた。ブラックはCDを発売し、続けて『サタデー』を撮影した。

薪に火をつける方法を知りたい?お気に入りのネット芸人のネタを見て笑いたい?可能だ。そう、YouTubeなら。

映画の予告編からYouTubeだけのシリーズ物まで、同サイトは情報とエンタテインメントを抱える巨大な存在となった。同サイトによると、毎月の訪問者数は10億人以上、視聴される動画は6,000億時間にのぼる。世界全体で考えれば1人あたり1時間だとYouTubeは述べている。

『Leave Britney Alone』は、感情の高ぶりを見られる自撮り映像の中でも最高クラスと言える作品だ。深夜番組のコメディアンには格好のネタとなった。

YouTubeが生み出したスターは、ウェブ以外へも進出している。彼らはTV番組に出演し、コマーシャル契約料を獲得し、本を出版したり映画を撮ったりしている。そういったスーパースターの魅力は親しみやすさだ。彼らは典型的なハリウッドスタイルで行く、キム・カーダシアンが決してしないような方法で、ファンと交流している。

要するに、彼らはわれわれと大して変わらない人たちで、だからこそ彼らは魅力的なのだ。誰もが有名になれるという考えには中毒性があるし、その気にさせてもくれる。カメラの前で人を感動させれば、お金にもなる。

だから、次に何か面白いことが起きたら、「録画」ボタンを押してアップロードしてみよう。これをYouTubeへの誕生日プレゼントと考えてみてはどうだろう。ひょっとしたら、次のスターはあなたかもしれない。

画像提供:
トップ画像:Rego Korosi
YouTube birthday cake画像:YouTube

Justin Conklin
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。

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