データセンター管理を簡素化するPAN System
PAN Systemでのリソース管理とプロビジョニング
■LPANによるリソースグループ管理
PAN Systemでリソースを管理する場合、LPAN(Logical PAN)と呼ばれるリソースグループを用いて管理します。LPANでは次のリソースを割り当ててグループを形成します(図2-1参照)。
・OS(OS Imageは統合SAN上に展開される。WindowsおよりRedhatサーバー)
・物理サーバー/仮想サーバー(pNODE)
・ディスク(統合SAN上のLUN)
・NIC/vSwitch(cNODE上で統合化されているネットワークインターフェース)
LPANの利用方法として、例えば「関連会社A」用にLPAN#1、「関連会社B」用にLPAN#2、といった利用者単位でのLPAN定義や、「OAシステム」用にLPAN#1、「生産管理システム」用にLPAN#2、といったシステム単位での定義も可能です。
システム管理者はLPAN内部に割り当てられた複数のOSリソースと複数のHWコンポーネントリソースをそれぞれひも付けることにより、各OSを必要なHW上で稼働させることができます。また、外部ネットワークは、2台のcNODEの外部向けNICから必要なPort数をまとめて、1つのリソースとして定義するため、必要な帯域と冗長性の確保を実現することができます。
■HW抽象化によるリソースの再定義とプロビジョニング
このようなHWリソースの抽象化により、OSイメージとHWリソースのひも付けや再定義が簡単に実施できます。例えば、pNODE#1上で動かしていたWindows OSをpNODE#2で動かすこともGUIから簡単に行えます。つまり、本番環境でCPU/メモリリソースが足りなくなった場合や月末バッチ処理等に負荷が増えた場合においても、Blade(pNODE#2)を該当OSに再割り当て(再起動が必要)をして、柔軟な運用継続ができます。
また、LPANでは割り当てられた物理/仮想サーバー数以上のOSを定義しておくことが可能です。つまり、テスト用のサーバーなど、頻繁に利用しないサーバー(OS)にはHWリソースを割り当てない状態にしておき、利用するタイミングでHWリソースを割り当てることができるので、HWリソースを効率的に利用することができます。
さらにPAN SystemのディスクI/Oは、cNODEで仮想化したSANBootの形態をとるため、OSイメージのテンプレートを準備しておくだけで、簡単にOSイメージのプロビジョニングが可能です。
物理サーバーと仮想サーバーを一元的に管理
Hypervisor型の仮想化製品によるサーバーの統合化が進んだ結果、システム管理者はHypervisor製品の運用スキルの習得と物理環境の管理を同時に行わなければならず、管理の煩雑性は増加していく傾向にあります。
PAN Systemの仮想化オプションであるvmBuilderを利用すると、pNODEのCPU/メモリリソースを分割利用することができます。実際にはCitrix XenかVMwareが内部で稼働しますが、PANからはHypervisorで分割した仮想サーバーと物理サーバーは、同じようなBladeサーバーとして認識されるため、管理者はHypervisorを利用している感覚を持つことなく物理サーバーと仮想サーバーを管理できます。そのため、より少ない管理者でより多くのリソースと管理でき、TCO低減が可能です。
またvmBuilderオプションで稼働するCitrix Xenは無償で提供されるため、Dell PAN Systemを利用するユーザーはすぐに仮想サーバーを利用できます。