VJを始めてみませんか?

2008年7月5日(土)
川村 有

VJの魅力

 現在、日本のクラブシーンでは、VJのみで生活している人、つまり「職業的なプロVJ」はまだ少ないのが現状です。しかし、映像クリエイターやグラフィックデザイナーはもちろん、Flashを使う事ができるWebデザイナーや、最近ではプログラマーなど、多くのクリエイターたちが趣味と実益をかねてVJをしています。

 それは、なぜでしょうか。まず、イベントのフライヤー(チラシ)や紹介サイトに自分の名前が載り、イベントに遊びに来た数百人(多い時で数千人!)の人々に自分の作品を一度に見せる事ができ、アーティストとしての喜びを感じる事ができます。そして次のイベントのオファーや出していた映像作品がプロモーターの目にとどまり、仕事が決まるなど、VJをハブとしてさまざまな人と仕事との「つながり」が広まっていきます。

 つまりVJとは、単なる金銭的な枠を超え、強力なプロモーションツールと言い換える事ができるのです。

どんな場でVJは行われているのか?

 最近では、クラブの中だけではなく、ライブハウスでのバンド演出や企業イベントのセミナー会場、変わった所では、演劇やバレエの舞台演出などでVJが活躍する機会が増えてきました。

 舞台の演出と言えば、ほんの数年前まで、スタッフや舞台監督と共に、数日に渡る綿密な打ち合わせを行い、分刻み(場合によっては秒刻み)で絵を出すタイミングをシビアに決める必要がありました。

 なぜなら、当日には台本の変更は一切できなかったからです。当時の映像演出のほとんどは、あらかじめ作り込んでおいた映像をテープにダビングしておき、当日はピッタリのタイミングでそのテープを再生させる事がすべてでした。つまり、前日までに作り込んだ映像がすべてであり、テープにダビングした時点で映像の修正は、ほぼ不可能だった訳です。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが事実です。

 しかしVJの登場により、映像の演出方法は一新しました。VJは映像を細かな単位で「素材」として持っています。その素材をリアルタイムに組み合わせていく事によって、1本の長い映像に仕上げていきます。

 つまり組み合わせしだいでは、映像に物語性を持たす事もできれば、単純な繰り返しの固まりにする事も自由自在です。いくらでもアレンジを利かせる事が可能なのです。

 VJは場数を重ねる事で、その場の空気感を瞬時に察知する能力がどんどんと上達します。それは実際に劇場の空気を感じながら「役」を演じる役者や音楽家とよく似ています。彼らのように「目には見えない空気感」を、VJは「映像空間」という形にできることが、VJの一番の面白さです。

VJチーム M.M.M(エムエムエム)主幹。1999年結成。世界屈指のMIXテクニックを誇り、世界各地のイベントVJを担当。国内最大級のテクノミュージックフェスティバル「METAMORPHOSE」や「WIRE\'07」に出演。また、日本最大のVJサイト「GLOBAL AUDIO VISUAL JAPAN(http://www.audiovisual.jp/)」の運営やVJ ソフトウエアmotion dive.tokyo(http://www.digitalstage.jp/mdt/index.php)の開発など、その活動の幅を無限に広げている。VJ M.M.M:http://www.htmmm.com

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