OSSでできること/できないこと
OSS統合監視ソフトウエアGroundWork
OSSの統合監視ソフトがどのようなものであるかを説明するため、ここではGroundWork Monitorというソフトを紹介します。GroundWork Monitorは米GroundWork Open Sourceが開発しているソフトで、OSS版の正式名称はGroundWork Monitor Community Editionになります(サポート付きの有償版もあります)。
GroundWork Monitorの特徴は、日本語コミュニティー・サイトの記載では、以下のようなものが挙げられています。
- Nagiosをベースとしているほか、RRDToolなどのいろいろな監視系OSSを統合している
(アプリケーション・プラットフォームとしては、Apache、MySQL、PHPなど、これもOSSを組み合わせたものを使用している) - 設定/状態表示は、管理コンソールのGUI(Webインターフェース)で行える
- グラフ表示(円グラフ、折れ線グラフ、メーター表示など)
- レポート作成
- ネットワーク機器の自動検出
- 監視項目
- 機器の死活監視
- ネットワーク内にあるすべてのコンポ―ネント(サーバー、機器、アプリケーション)の監視
- サーバーのレイテンシ(遅延時間)の監視
GroundWork Monitorは、OSSの統合監視ツールとして有名なNagiosをベースとしつつ、Nagiosでは足りない点をほかのツールで補い、改良を加えて使いやすくしたものと言えます。
GroundWork Monitorの機能
次に、GroundWork Monitor Community Editionの機能を説明します。
図2は、バージョン6.0の管理画面のスクリーン・ショットです。管理画面(Webブラウザ)を動作させるホスト、監視サーバー(Apache httpd)を動作させるホスト、監視対象のホストの3つのシステム要素を、全部同じ構成で動作させています。
この画面はダッシュボードと呼ばれ、監視対象の状態をいくつかのパネルで表示します。スクリーン・ショットでは少し見づらいですが、一番上のパネルが各ホストの死活監視結果です。予定されていた停止(計画停止)、予定外の停止(つまり何らかの異常)、正常動作のホスト数などを表示しています。
上から2番目のパネルが、いろいろなネットワーク・サービスの状態を示しています。例えば、local_cpu_httpdのCPU使用率、syslog-ngのメモリ使用率などを表示しています。3番目のパネルが、httpd、java、mysqlのCPU使用率をグラフ化したものです。
画面上の各タブの機能は以下のようになります。
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Dashboards: 監視状況の表示
My GroundWork: ユーザーがカスタマイズした画面。名前をつけて複数持つことができる
Event Console: 監視ログなどのイベント一覧表示
Status: 監視対象機器の稼働状態表示
Report: 稼働率の表示、ネットワーク・トラフィックやCPU使用率をグラフ表示
Configuration: GroundWork Monitorの設定を行う
Auto Discovery: ネットワーク機器の検知
Nagios: Nagios風画面。Nagiosに慣れたユーザー向け
Administration: ユーザーごとの設定
Resources: GroundWork Monitorの情報源サイトへのリンクなど
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次ページでは、GroundWork Monitor Community Editionによる監視画面を簡単に紹介するとともに、同ソフトの概要を総括します。