PHPUnitによるテスト:応用編

2010年4月28日(水)
伊丹 久兼

Xdebugを使ったコードカバレージの測定(1)

 コード・カバレージ(カバレッジ)とは、テスト対象のソース・コードが実際にテストされた割合のことです。この 値が低い場合、テストされてない部分が多いことを意味するため、「もっと頑張ってテスト・ケースを作成しなさい」ということになります。

 「Xdebug」は、PHPのデバッグ用拡張モジュールです。IDEが提供するようなスクリプトを1ステップごと実行するデバッグ機能や、性能のボトル ネックを調べるためのプロファイル機能などを提供します。今回はコード・カバレージを測定するために使用してみました。

 Xdebugはpeclコマンドを使ってインストールできます。
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$ sudo pecl install xdebug

インストール後、php.iniファイルに下記の行を追加
zend_extension=/usr/local/php/lib/php/extensions/no-debug-non-zts-20090626/xdebug.so"
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(なお、"pecl install"の実行が完了した際に「php.iniファイルにextension=xdebug.soという行を追加しなさい」と表示されるのです が、これは間違いのようです)

 Xdebugのインストール後、NetBeansを使ってコード・カバレージを取得してみます。画面左のプロジェクト・ウインドウに表示されているプロ ジェクト名「Examples」を右クリックし、コード・カバレージを選択します。

Xdebugを使ったコード・カバレージの測定(2)

 「コードカバレージ」のインジケータが40%と表示されていることから、実行したテスト・ケースでは、ソース・ コード全体の40%程度までしかカバーできていないことになります。

 また、エディタ・ウインドウで開いているソース・コード(Hello.php)が緑と赤で色分けされています。緑の部分はテスト・ケース (HelloTest.php)でテストされた部分であることを、赤の部分はテストされなかった部分であることを表しています。これを見ると、 setMessage()を呼び出すテストが実装されていないことが分かります。

 このように、コード・カバレージを調べることで、テストの有効性を検証できます。また、テスト・ケースを実装するモチベーションを高めてくれます。

 次のページでは、Seleniumを使った、ブラウザを介したプログラムのテスト方法を紹介します。

PCIアイオス株式会社

テンアートニ(現サイオステクノロジー)、ゼンド・ジャパンなどを経て現在、PCIアイオスに勤務。これまでに組込み開発からWebシステム開発まで幅広く開発を経験。現在は、オープンソースソフトウェアを利用したシステムの開発、運用、パフォーマンスチューニングを担当。特にLAMP(Linux/Apache/MySQL/PHP)環境を得意とする。

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