Flashならではの利点を活かそう
コンバージョンに導く好例(コーディネート体験など)
Flashによる魅力的なユーザーインターフェースを通じて、ユーザーをコンバージョンに導く好例を、いくつか挙げてみたいと思います。いずれも、実存するFlashコンテンツをベースに書き下ろしたものです。ご興味のある方は、実際にいろいろと探してみて、参考にしてみると良いでしょう。
まずは、商品(あるいはその構成要素)の組み合わせをあれこれとシミュレーションするタイプのFlashアプリケーション例を2つ紹介します。
1つ目は、服の試着(着せ替え)を、Flashアプリケーション上でシミュレーションし、コーディネートがそろったら、まとめて買い物カートに入れ、決済処理を行えるという例です。
コーディネートを組み合わせるステップで、センスの良さを点数表示するなど、ちょっとしたゲーム感覚を取り入れると、ユーザーはより楽しくWebサイトに滞留することができると同時に、「またやってみたい」「また来訪したい」と思うことでしょう。
同様のソリューションは、家具や生活雑貨を扱うWebサイトでも応用できるでしょう。お部屋のイメージとインテリアの配置をシミュレーションし、気に入ったコーディネートができたらショッピングカートへ入れる(またはカタログ請求につなげる)、といった流れが考えられます。
2つ目は、カラーや仕様オプションのバリエーションが充実している製品をWebサイトで扱う場合、その組み合わせをシミュレーションできる例です。
例えば、自動車の場合、内装(シートやインパネ)と外装(ボディー)でそれぞれカラーを切り替えて、全体のビジュアルイメージをふかんすることができます。一通りシミュレーションできたら、見積もり請求や、店頭で使用可能なクーポンの申し込みができる、といった流れも考えられます。
コンバージョンに導く好例(疑似体験など)
次に、商品を購入検討する前に疑似体験ができるような例を2つ紹介します。
1つ目は、ハイテク機器などの操作説明を目的に、操作パネルを模したFlashアプリケーションを提供し、実際に触れてみる仮想体験をしてもらうものです。
こうすることで、「どうすれば何ができる」というイメージを購入前につかむことができ、説明文と写真だけでは伝わりにくい内容を直観的に伝えることができるというメリットがあります。機器の操作ボタンを触ったら、視覚だけでなく音でもフィードバックを返すと、より体感的になります。
例えば楽器やオーディオ機器ならそのサウンドを流したり、電子レンジなら調理中の音やアラーム音を出したり、ガスコンロなら着火音を出したり、などが考えられます。
一通り触って興味を持ったユーザーには、詳細仕様やマニュアルのダウンロードページへの動線を提供したり、カタログ請求ページに進む、実物に触れることができる取扱店舗を紹介する、などの流れが考えられます。
2つ目は、あらかじめ高解像度の写真を用意しておき、ユーザーがFlashアプリケーションのユーザーインターフェースを操作することで、任意の大きさに画像拡大をすることができる(拡大した画像は、Flashアプリケーションの中でドラッグすることで、自由に見たい場所を見ることができる)ものです。
Webサイトで扱う商品によっては、ディテールやパーツ、質感をじっくり観察して確かめたいという性質のものがあると思いますが、そのような場合にとても有効です。ユーザーがじっくり見て気に入ったら、その製品の仕様詳細情報ページに進む、カタログ請求ページに進む、実物に触れることができる取扱店舗を紹介する、などの流れが考えられます。
いかがでしょうか。ここに挙げたのはごく一例ですし、ほかのWebサイトではもっと良いソリューションが考えられるかもしれません。Flashクリエーターの皆さんには、ぜひクライアント企業とじっくり話し合って、適切な動線デザイン(クライアント企業のビジネスゴール達成をサポートする「手段」としてのFlashアプリケーションづくり)を模索していただきたいと思います。