たったこれだけ!ユーザビリティ向上策
リダイレクトを正しく使おう
WebページのURLを変更したときに、旧URLにアクセスしたユーザーを正しいページに導くのがリダイレクトです。HTMLのMETAタグでも行えるので、そちらを利用している方も多いでしょう。しかし、ファイル数が多いとMETAタグを仕込むのが大変ですし、検索スパムと誤認されやすいという欠点もあります。サーバーサイドによるリダイレクトならそれらの多くが回避できますので、次はその設定方法を解説します。
Apacheでリダイレクトを設定するには、.htaccessに以下のRedirectディレクティブを追加します。
Redirect permanent 旧パス 新URL
旧パスにアクセスがあると、新URLにリダイレクトされます。もし旧パスがディレクトリであれば、それ以下のすべてのファイルへのアクセスが新URL下の対応するファイルへとリダイレクトされます。
旧パスはサイトのトップディレクトリからのパス、新URLは完全なURLでなければなりません。いずれも.htaccessの場所には関係なく、相対パスは使用できないので注意してください。メンテナンス性の観点からも、トップディレクトリの.htaccessにすべてのリダイレクトを記述するのがお勧めです。
例えば、「/old_path/」以下を「http://www.example.com/new_path/」にリダイレクトするなら、図3「リスト 5」のようにします(実際には1行で記述してください)。「/old_path/foo.html」へのアクセスが「http: //www.example.com/new_path/foo.html」へリダイレクトされるという動作になります。
さらに柔軟な指定ができるRedirectMatchというディレクティブなど、ほかにもいくつか機能があります。興味のある方はApacheの公式サイトの解説(http://httpd.apache.org/docs/2.2/urlmapping.html#redirect)を参照ください。
エラーページのカスタマイズ
Apacheのデフォルト設定では、存在しないページへのアクセスなどに対してとても簡素なエラーページを返します。これは非常にわかりづらく、せっかくWebサイトを訪れてくれたユーザーも立ち去るしかありません。そこで、多くのWebサイトはさまざまな工夫を凝らしたエラーページを表示しています。例えば、はてなブックマーク(http://b.hatena.ne.jp/)はサービスの簡単な説明とユーザー登録ページへのリンクを、Zoho(http://zoho.com/)は各サービスへのリンクを表示します(実際にエラーページを見るには、URLに存在しなさそうなファイル名を指定してください)。
こういったカスタマイズされたエラーページを実現するのが、ErrorDocumentディレクティブです。エラーの種類ごとに、表示するページを指定できます。基本的な書式は以下のようになります。
ErrorDocument ステータスコード 表示するページのパス
「ステータスコード」はHTTPの規格で定められた3けたの数字で、主なものを図3「代表的なステータスコード」にまとめました。「表示するページのパス」は、エラーページとして表示するHTMLファイルの、Webサイトのトップディレクトリからのパスです。Redirectディレクティブと同様に、相対パスは使えないので注意してください。
例えば、ファイルが見つからない場合に「/error404.html」を表示するなら、以下の1行を.htaccessに追加します。
ErrorDocument 404 /error404.html
「error404.html」は通常のHTMLファイルで、表示内容に制限はありません。ただし、表示されるURLが特定できない都合上、リンクなどに相対パスを使うことができません。必ず完全なURL、もしくは「/」で始まるトップディレクトリからのパスを使ってください。
エラーページの表示内容は自由ですが、エラーの内容をユーザーに伝えるという本来の目的を満たせるよう、わかりやすいエラーメッセージを表示するのが重要です。その上で、ユーザーが次のアクションを取りやすいように、リンクや検索窓などを配置するのが良いでしょう。Googleのウェブマスターツール(http://www.google.com/webmasters/sitemaps/?hl=ja)では、実在する URLのサジェストやサイト内検索を表示するJavaScriptウィジェット(http://www.google.com/support/webmasters/bin/answer.py?answer=93644&hl=ja)が提供されています。こういったサービスをうまく活用するのも1つの方法です。
次回は特集のもう1つのテーマであるアクセシビリティに関係する機能を紹介します。