モバイルWebの可能性と未来

2008年10月30日(木)
吉田 悟美一

モバイルWeb制作のトレンド

 本連載ではモバイルWebの最新のトレンドについて、一通りご紹介をしてきました。ここで、一度まとめておきましょう。

 モバイルWeb制作全体としては、携帯端末やブラウザ・通信スピードの進化により表現力が増したことで、サイト表現のリッチ化が進んできました。サイトデザインやUIへの意識が向上し、XHTMLベースでの制作や、動画/Flashなどのインタラクティブ要素が徐々に本格化しつつあります。技術要素としても、PCでのWebサイトと近いものを求められるようになるのは、進化速度を考えれば時間の問題でしょう。

 さらに、モバイルに特化した新機能、例えば衛星利用測位システム(GPS)やFeliCa(フェリカ)機能、スーパージップ(TM)などの登場もあり、PCでのWebサイトとは別の技術要素も絡んできました。コンテンツ系は、携帯端末の機能向上とともにリッチ化が進んでおり、携帯の独自機能に依存した進化を歩んでいます(図1)。

 また、モバイル・インターネットの普及とともに、利用ユーザー層や活用シーンが広がり、モバイルサイトはメディアとしても重要な位置づけになってきました。それゆえ、求められるサイトの機能や表現などに多様化が起こっていることも、同時に感じてもらえたかと思います。

 例えば、マーケティングサイトなのか、ECサイトなのか、ブランディングサイトなのか、コミュニティーなのか。集客・広告への対応はどうするのか、SEO対策など、そこで求められるサイトの機能要件も多様化し、サイト制作内容にも大きくかかわってきています。

 リッチ化された見栄えの良い表現で、さらに企画や戦略までも考慮し、何らかの機能を持ったサイト制作を求められるのも、これからのモバイルサイト構築の流れと言えるでしょう。

リッチモバイルサイト制作チェックリスト

 今回の連載で取り上げてきたポイントを中心に、リッチモバイルサイト構築のためのチェックリストをまとめてみました。最新のモバイルサイト作成のためにチェックしておきたい内容です。

 ページ制作やシステム構築に関しては、モバイルサイトとしての基本的なポイントも多くあります。サイト制作時の参考にしてみてください。

 コンテンツ、そのほかに関しては、導入のハードルが高い項目もありますが、ユーザー視点から見ても、対応できていると効果が見込める施策は多いと思います。

 サイト表現、ページ制作のポイントは下記になります。

・XHTMLベースで作成、対象端末は3G以降に
・Table/Divタグの表現を取り入れる
・Flash Lite(1.1)、動画表現を取り入れる
・画像サイズ最適化は最低8パターン
・1ページあたりのデータ容量上限は100K以内を目安に
・Title、Keyword、Descriptionは各ページに設定

 システム構築のポイントは下記になります。

・各キャリア/画像サイズ/端末に最適化した動的なページ表示
・IPアドレスでのアクセス制限を避ける
・会員登録は空メール登録を基本にする
・フリーワード入力を避け、キー入力数は最低限に
・エラーメールは常に5%以下に、スクリーニングを徹底する
・会員認証はカンタンログイン方式、デコメ対応メルマガ

 コンテンツ、そのほかのポイントは下記になります。

・デザイン化したQRコードやカラーコード(TM)の導入
・着せ替えコンテンツやFlashコンテンツの配信
・FeliCa対応した登録やクーポン発行
・mobiドメインの使用

株式会社イオス
代表取締役/CEO(デザイナー/モバイルマーケター) 。1988年 株式会社イオス設立。プロダクト/Webデザイン等、商品開発・マーケティング分野を専門に展開。1999年、モバイル事業参入後は、ゲーム・動画配信・ショッピングモール等、複数の公式コンテンツを提供。モバイルサイト構築プラットフォーム「Rockbird(http://www.rockbird.jp/)」開発・提供。著書「ケータイ小説がウケる理由」「成功するケータイ通販」 http://www.e-o-s.net/

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