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DXの実現にはビジネスとITとの連動が必須 ― 日本マイクロソフトがBizDevOpsラウンドテーブルを開催

2020年3月10日(火)
高橋 正和

BizOps x DevOpsの実現を阻む
組織の “課題” 打破の鍵
“Cloud Center of Excellence”

最後のセッションでは横井氏が、DXとCloud Center of Excellence(CoE)戦略について語った。

時価総額10億ドルまでに要する時間は
ここ10年で10 分の1にまで短かくなっている

米フォーチュン500の企業が時価総額10億ドルレベルの評価に達するまで、平均20年かかっていたのが、ここ10年で年々短くなっていき、Xiaomiに至っては、わずか2年で達成してしまったということをご存知だろうか。ここまでくるともはや、リードタイムなどあってないもの。ビジネス変化に合わせてリアルタイムに自社製品やサービスを改革し続けなくてはならない時代だからこそ「永遠にビジネスを改革し続けるサイクルを構成するのはビジネスとIT。両者の融合なくして、市場で勝ち抜くことは極めて困難」(横井氏)。

時価総額10億ドルレベルの評価に達するまでにかかる時間は年々短縮化傾向に

さらに、激変する時代において勝ち続けている企業の視点は、「いかにして迅速に自社のサービスや製品を投入するか、また顧客からの要望を可能な限り直ちに取り入れ、改善したものを即時リリースしていけるか」であるという。

「勝ち続ける」企業の視点

「これまでは企画(マーケティング部門が担当)、分析(IT部門の担当エリア)、実行(マーケティングが担当)、効果測定(IT部門の担当エリア)がシーケンシャルになっていたが、BizDevOpS企業は「ビジネス側とIT担当がシームレスに1つの目標に向かって動いている」(横井氏)。先の榊原氏の講演で、マイクロソフト自身が Windows 10の開発の過程の組織改革の結果得た「ビジネスと IT の融合」- “顧客の声を聞くところと、QA、開発が有機的につながるようになったこと。これにより、顧客の声を即時反映できるようになった (榊原氏)” 、これがまさに “BizDevOps” なのである。

従来企業と急成長企業の違いはBizDevOps

また、MITスローンマネジメントスクールの論文から「デジタルマスター」の考えを紹介した。縦軸は “デジタル能力” 、すなわちデジタル技術を使って顧客体験(カスタマーエクスペリエンス : CX)や業務プロセス、ビジネスモデルなどを改善する能力とし、横軸を変革を導くビジョン、従業員の巻き込み、ガバナンス、ITとビジネスの連携などを行う能力、“リーダーシップ能力” とする考えだ。この2軸の両方に優れた企業は、デジタル変革を遂げた企業「デジタルマスター」である。デジタルマスターは、初期投資こそ大きいものの、結果的に競合他社と比較して従業員1人あたりの売上も収益性も高くなるという。

デジタルマスター

ビギナー

ファッショニスタ

コンサバティブ

ここで横井氏の話は「なぜデジタルネイティブの成長速度が速いのか」となり、リーン生産方式やアジャイル、クラウド、BizDevOpsで俊敏性を維持していると語った。

なぜデジタルネイティブの成長速度が速いのか

しかし、ビジネス側と、IT側の視点はあまりにも違っていることが少なくない。ビジネス側はプロフィットセンターとして会社の利益など、経営戦略視点で課題をとらえ、ITはコストセンターであるために、ガバナンスや現状の維持を目標とするKPIが立てられていることが多いからだ。しかし、「デジタルマスター」企業になるためにはこの課題は越えなくてはならない課題となる。

デジタルマスター企業になるために超えるべき課題

ここで、”CCoE”が重要になる。CCoEは1人ではなく、指導的立場でBiz / Dev双方がモダナイズされたシステムのポテンシャルを最大化するために、お客様の組織内でビジネス、技術双方に深い知見と能力を持つ人材群 (=Cloud CoE) を見据えた人事戦略なのだ。

CCoE戦略

CCoEモデルのメリット

その構成について「メンバーを1人ずつ出せば良いというのでは無理。社内の1部門や課題の一部にのみ対応しても、会社全体のオペレーション戦略で見た場合、単なる部分最適化になってしまえば、むしろ害になってしまう。SIパートナーと連携してシステムを運営している企業などでは、パートナーも巻き込み、全体を見る構成にすることもある」と横井氏。「ここで重要なのが経営戦略と、オペレーション戦略双方の理解と、その整合性を理解した上でIT戦略に落とし込むかということだ。従って、IT部門はコストセンターではなく、ビジネス側、プロフィットセンターとしての視点で自らの仕事を見直していくことが重要」。日本でも、ここ数年でこのように経営戦略 – オペレーション戦略 – 人事戦略を包含して考えている企業が出始めてきており、成功を収めているという(出典 : 令和元年5月17日 独立行政法人情報処理推進機構調査より)。

マイクロソフトでは、クラウド時代にどのように自社のクラウドセキュリティ設計の標準化や各ビジネス部門の利用指針を策定するかや、コストと統制などをとらえるべきかをこれまでの様々な企業の経験などに基づき “Cloud Adoption Framework (CAF)” としてまとめ、公開した。CAFとCCoE人事戦略の合わせ技で、クラウドネイティブ開発を実現する育成プログラムを企画しているという。

Azure Cloud Adoption Framework

横井氏はCoEのタイプも紹介した。

CoEのタイプ

最後に、横井氏はBizDevOps実現を目指すプログラムとして、3日間のハッカソンと、社内CCoE育成支援のAzure Meisterの2つのプログラムから構成される「Azure Light-up」プロジェクトを紹介。今回第二部で登壇した JFEエンジニアリングもこのプロジェクトによるものだという。プロジェクトに含まれる2つのプログラムは個社の課題やニーズに合わせて組み合わせを変えることができる。「やってみたいと思われる方は、ぜひ弊社営業に相談してください。一緒に相談に乗らせていただきます」(横井氏)」。

「Azure Light-up」プロジェクト

「Azure Light-up」プロジェクトのプログラム内容

「Azure Light-up」プロジェクトのモデルケース(1)

「Azure Light-up」プロジェクトのモデルケース(2)

横井氏の軽快な講演は参加者を惹きつけていた

お知らせ : ホワイトペーパー “Building a Digital Operating Model with Microsoft Cloud Adoption Framework” 公開中(無償)

https://azure.microsoft.com/ja-jp/cloud-adoption-framework/#overview

(本ページ下方のURLリンク先をご参照ください)

DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するには、ビジネス戦略と従来のIT戦略とシームレスに融合させることが不可欠ですが、2つの間にはなかなか深くて暗い谷が横たわっている、という組織はいまだに多数派です。しかし、ITとビジネスが融合しない状況は、現在企業が "困っていない" としていても、長期的な戦略としては適切ではありません。マイクロソフトだけでなく、他の有識者も含め、いかにして企業はクラウドなどの最新のテクノロジーで変革を行うべきか、ビジネス側と技術担当側双方の視点で語られています。300ページを超すサイズで読み応えがありますが、海外の先行企業での様々な例を基に原理原則をまとめていますので、必ず役に立つとお勧めできる内容です。ぜひ、ご覧ください。

* * *

DXという言葉や「すべての企業がソフトウェア企業になる」という主張をしばしば目にするようになった。これはすべての企業にソフトウェアの、それもWebサービスの開発スピードが求められるということでもある。そのためには、ビジネス部門と開発・運用部門が、ウォーターフォールのような直列でなく、一体となって進めるBizDevOpsが求められる。中でも「ビジネスを速く回さなければアジャイルやDevOpsをやってもしかたない」という榊原氏の言葉が印象に残った。

今回のラウンドテーブルで語られた内容について詳細を知りたい方は、ぜひ下記の事務局へお問い合わせいただくか、URLリンクの情報を参考にしてほしい。

【Azure Light Up プログラム またはCCoE短期育成支援プログラムについてのお問合せ先】
Microsoft Azure Light Up Program 事務局 (Email: azurelightup@microsoft.com)

【Microsoft Cloud Adoption Framework for Azureの詳細はこちら

フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。

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