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  インタビュー

コミュニケーションスキル豊かなベテラン技術者を積極的に採用中。grasysが30~40代のエンジニア中途採用にこだわる理由とは?

2021年8月19日(木)
工藤 淳

企業にとって、中堅~ベテラン層のエンジニア採用はいわば両刃の剣だ。経験豊富な即戦力人材を獲得できる一方で、個性や考え方が確立された技術者を自社の業務や社風とどうマッチングさせるのか。経営者や人事担当者にとっても、期待と懸念半ばのチャレンジと言えるだろう。その「効果は高いが難易度も高い」層の採用を積極的に進めているのが、株式会社grasys(グラシス)だ。創業者である代表取締役 長谷川祐介氏と、人事担当マネージャーであるAdministration Division Manager 中川泰介氏、そして同社のベテラン層で、完全リモート勤務での社員採用第1号となったCloud Infrastructure Division Ops Team Engineer 西川香織氏にお話を伺った。

自社のプロジェクトには
ベテラン層ならではの幅広いスキルが必要

パブリッククラウドを活用したインフラの企画コンサルティングから設計、構築、運用保守までをトータルに提供するgrasys。2014年創業でまだ7年目という若い企業ながら、大規模・高集積・高密度なシステムを得意としている。その実績を評価され、最近ではGoogle Cloudが優れた実績を収めたパートナー企業を選出する「Google Cloud Partner of the Year Award」の「2020 Google Cloud Services Partner of the Year - Japan」を受賞。また、再開発の進む東京・渋谷のスマートシティ化プロジェクト「渋谷データコンソーシアム」にも参画し、産学協同体制の一員として、ビッグデータやオープンデータ活用の推進に携わってきた。

grasysが中堅・ベテラン層のエンジニア採用に取り組み始めた理由は、1つにはいわゆる「自走型=自ら関心や課題を見つけ、学んで解決していける技術者」を求めていること。もう1つは、同社の手がけるプロジェクトには大規模かつ高度なものが多く、問題に突き当たった際に解決方法を探るための経験値や、他のさまざまなスタッフとのコミュニケーション能力など、幅広いスキルが不可欠だからだと長谷川氏は語る。

「加えて、仕事をする上で一番大事な要件の1つが『自分が誰に何を提供し、どこに責任を負っているのか?』を理解できることです。そこが解っていないと、大きなプロジェクトの中で自分のスタンスや果たすべき役割を把握できず、結果的に優れたサービスを提供するのが難しい。でも、それはある程度、経験を積まないとわからない世界です。30~40代のエンジニアならばそうしたマインドも確立されているし、一緒に仕事をする仲間として信頼して課題に向かっていけると考えているのです」。

株式会社grasys 代表取締役 長谷川祐介氏

それもあって長谷川氏は、面接では「未来」についての話をして、そこで返ってくるフィーリングを大切にしているという。もちろん漠然とした印象だけで判断するのではない。応募者の細かい経歴などよりも、その人が現在どんな分野に関心を持っていて、その先をどう見ているのか、時代の変化を楽しんでいけるのかを重視しているのだ。

「自分の軸になる技術や関心領域を持っている人なら、その分野の新しい話題が出てくるはず。そこから掘り下げて、話がどれくらい盛り上がるかというのは、相手の意欲やポテンシャル、何より私たちとの相性を見る上で肝になっている気がしています」。

もう1つ大事なポイントが、コミュニケーション能力だ。人事側としてもここは非常に重視しており、面接には必ず社内のエンジニアに同席してもらうと中川氏は明かす。

「そのエンジニアとの会話ぶりを見ながら、どれだけコミュニケーションできているかを見ています。当社は長谷川をはじめ、社員の大半が技術者で、皆よくしゃべります。また大規模なプロジェクトで複数の他社と組むケースも多く、『誰とでも適切に会話ができる』というのは、仕事を円滑に進め、リーダーシップをとる上で不可欠の能力なのです」。

株式会社grasys 人事担当マネージャー Administration Division Manager 中川泰介氏

面接には長谷川氏自らが臨むことも多く、中川氏によれば「応募者の方と話している長谷川の目が輝いているときは、この人はいけるなと」と感じて、実際に採用が決まるケースも多いという。

トップの語る「未来」に共感して入社を決めた
完全リモート採用第1号のベテラン層社員

自走型で技術力も経験値も豊富、コミュニケーション能力も高く……と聞くとかなりの難関に思えるが、そのハードルをみごとクリアして、grasysのベテラン層社員として、完全リモート勤務社員採用の第1号となったのが西川氏だ。

西川氏は現在40代。エンジニア一筋にキャリアを積んできた、文字通りのベテラン層技術者だ。キャリアのスタート期には金融やプラントなどのシステムを手がけてきたが、その後あまりに大規模なものよりも、自分でシステムを1つ丸ごと作れるようになりたいと考え、転職を決意。以降、パッケージ開発やゲーム開発など、さまざまな分野を経験しながら腕を磨いてきた。その間にはプレイングマネージャーとしてマネジメント業務も経験し、「これならひと通りのことができる」と考えて、その集大成としての転職活動でgrasysに入社したという。

「何社か、ここはという会社にアプローチして内定をいただいたりもしていたのですが、最後の面接がgrasysだったのです。一次面接に長谷川さんがいらして、これからこういう技術が出てきて、こんなことがしたいというお話しをされたのがすごく盛り上がって、『じゃあ、ぜひそれをやりましょう。そこに私も入れてください!』みたいな話になったのが、grasysに決めたきっかけでした」。

株式会社grasys Cloud Infrastructure Division Ops Team Engineer 西川香織氏

社員採用の決め手の1つは「ポジティブさ」だと言う長谷川氏だが、このときの西川氏の印象は「超弩級のポジティブ」だったとか。

西川氏は、ベテラン層の採用であると同時に、フルタイムのテレワーク社員の第1号でもある。現在も京都在住のまま、東京・渋谷に本社を置くgrasysの正社員としてネットワーク経由で勤務中だ。実は同社では、今後こうした遠隔地も含めたテレワーカーを増やし、地方ごとにエンジニアチームを編成していく構想を推進中だと長谷川氏は語る。

「この先40代以上の働き盛りの社員が、介護などの問題に直面することが増えてきます。そうなっても家族のお世話をちゃんとしながら、ベテランの能力や経験を活かせる環境を作ろうと思っているんです。その意味でも、西川はチャレンジ事例の第1号なのです」。

40歳を過ぎて転職を成功させるために必要な
考え方やスキルとは

ここで、これまでの経験や技術を活かして自分も次のステージに挑戦してみよう、もしくはgrasysのような企業に転職したいという人もいるだろう。だが一般に40歳を過ぎてからの転職は、若手のとき以上に慎重さが必要だ。単に技術力や知識だけでなく、これまでにエンジニアとして、また社会人として積み重ねてきた実績や人間力のようなスキルも求められてくる。そこで西川氏に、これから転職活動を始めるベテラン層に、ご自身の経験からいくつかアドバイスをお願いした。

「まず何か1つ得意分野、それもかなり深く掘り下げられるものが必要だと思います。分野はその人によって異なると思いますが、例えばサーバーなら現在はクラウド経験がないとかなり厳しいですよね。あとは、やはりコミュニケーションスキルです。きちんと意思疎通ができる人なら周りの人も仕事をしやすいので、スムーズにプロジェクトに加われます。またその年齢ならば、1つもしくは複数のプロジェクトを回していくマネジメント能力も期待されます」。

さらに西川氏は「転職は相性の問題もある」と付け加える。会社によっては、枯れた技術を使い続ける事情があることも珍しくない。そこにいくら「最先端の技術力」をアピールしても響かない。必ずどこかに、自分の得意分野を欲しいと言ってくれる会社はあるはずだ。「そういう自分の得意分野を伸ばしていけて、なおかつちょっと上のレベルの会社を選ぶと、入社後も自然に成長していけると思います」と西川氏は示唆する。

ベテラン層のエンジニアでも、やはり入社後は新しい環境に早くなじめるかどうかが気になるところだ。特にコロナ禍でリモートワークが主体になっている現在では、多くの企業がマネージャーによる1 on 1やアンケートなどを盛んに実施して、社員とのコミュニケーションに力を入れている。grasysではどのような取り組みを行っているのだろうか。中川氏は、「いま重視しているのは雑談」だと言う。

「当社もコロナ禍の現状ではリモートワークを主体にしていますが、すでにお話ししたように、私たちはコミュニケーションを非常に重視しています。もちろん1 on 1やアンケートも有効だとは思いますが、そういう定型的なものを設けてしまうと、社員の側も、ああそのサイクルでやるんだなという感じになりかねません。それもあって、形式的な制度や施策を整備するよりも、より本質的に意思疎通ができているかどうかに重点を置いているのです」。

例えば、中川氏の人事部門では、毎朝10時15分くらいからリモートで朝会を実施しているが、「最初の15分くらいは、まず雑談ですね。適当に誰かがしゃべったことに対して、周りが反応して会話が弾んでいきます。そうしてみんなの気分が盛り上がってきたところでその日の本題に入っていくので、一方通行で誰かの話を聞く感じにもなりません」という。

今後も幅広いスキルを持った
ベテランの採用を積極的に進めていく

たとえベテラン層の技術者でも、入社後のスキルアップのための体制は気になるところだ。grasysでは、会社から指示されたカリキュラムをこなすのではなく、「自ら課題を発見して学ぼうとする自走型人材」を後押しする視点で、さまざまな仕組みを提供している。

「まず自学用のツールを導入して、徹底的に活用しています。あと必要な書籍などは申請すればいつでも買えます。最も重要なのは、学習のために必要とあれば相応の台数のサーバーを立てたり、コンピューティングリソースの利用は積極的に認めたりしています。あとは当社の場合パートナー企業が非常に多いので、そうしたパートナーの勉強会などを社内でシェアしています」。

有料のセミナーなども、必要だと上長が判断すれば指名して参加させるといった学びのための働きかけは、マネジメントサイドからもかなり意識的に行っていると長谷川氏は語る。

grasysでは西川氏の採用をステップボードに、今後もベテラン層のエンジニア採用を積極的に進めていくという。長谷川氏は、現在はエンジニアに求められる技術や能力の幅が非常に広がってきていると指摘。そうした多種多様な技術を、サービスあるいはビジネスとしてどのようにローンチしていくかまで一貫して考えられる人材が、社会全体で求められているという。

「その中でも当社の場合、事業の特性からエンジニアに求めるものの幅が非常に広いと考えています。これまで学んできた技術や経験をもとに、一緒に未来を開拓していこうと思われるエンジニアの方は、ぜひ一度遊びに来てみてください!」

「未来の技術の夢をこの手でかなえたい」と意気込んでいるベテラン技術者は、grasysに注目してみてはどうだろう。

フリーランス・ライター兼エディター。IT専門出版社を経て独立後は、主にソフトウェア関連のITビジネス記事を手がける。もともとバリバリの文系出身だったが、ビジネス記事のインタビュー取材を重ねるうち、気がついたらIT専門のような顔をして鋭意お仕事中。

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