symfony 1.1にアップグレードしよう!
プロジェクトをアップグレードしよう
ここまで準備ができたら、プロジェクトのアップグレードを行うためのsymfonyのタスクを図2のように実行します。symfony 1.1は1.0からの変更点がかなりあるので、ある程度コマンドで自動化されています(実際には、それ以外の変更点でエラーが出ることも当然あります)。
このコマンドの実行結果に不要なファイルや注意点が記述されているので注意しましょう。logging.yml、i18n.yml、config.phpなどのファイルに修正を加えている場合、注意が必要です。これらのファイルは使用されなくなっているので、図2のようにそれぞれ対応するファイルに設定をマージする必要があります。
symfony 1.0までは、factories.ymlはフレームワークのコアとなるクラスを設定するために使用していましたが、symfony 1.1ではそれに加えて上記のlogging.yml、i18n.ymlの機能の他にも、settings.ymlで定義していたtimeoutなど各種設定をすることができます。デフォルトの設定については、新規でアプリケーションを作成したときのfactories.ymlを参照するとよいでしょう。詳細については、やはりドキュメントに詳しいです。
また、project:upgrade1.1タスクの実行したときの出力中に含まれるファイルを修正している場合は、その部分でエラーが出る可能性があるので注意しましょう。
互換性を有効にする
最後に、既存のプログラムを動かすためにsettings.ymlで互換性を有効にします。プロジェクトをアップグレードしても新しい設定のデフォルトがコメントアウトされた状態で記述されているということはありません。そのため、新しい設定がわかりにくいかもしれませんが、そういったときは新しくアプリケーションを作って、デフォルトで作成される設定ファイルを参照すればよいでしょう。
これで、一通り動かしてエラーが出なければ、アップグレードはひとまず終わりです。筆者がはまった点として、内部URIの解析部分の仕様変更があります。
symfony 1.0では以下のようにアクションを指定しないURIを使用した場合、settings.ymlのdefault_actionがアクションとして使用されていましたが、symfony 1.1では例外を投げてしまいます。
コントローラをオーバーライドするか次のようにきっちりURLを指定することでも回避できます。