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【伝わる!モデリング】Google Androidで携帯アプリ設計

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Google Androidで携帯アプリ設計

第3回:クラス図でプログラムの構造を整理する!

著者:株式会社豆蔵 藤田 泰介

公開日:2008/04/17(木)

クラス図の概要

本連載では、Google Android(以下、Android)を使った携帯アプリ作成を例に、マインドマップやUMLによる設計について学んでいきます。前回はマインドマップを使った事例を紹介しました。今回はクラス図を使ってプログラムの構造を整理する方法を紹介していきます。

マインドマップは決まりごとが少なく自由に何でも描けることから、アイデアを展開していくのにとても役に立ちます。しかしその反面、決まりごとが少ないので図が構造化されているとは言えず、プログラムの構造を正確に表すことができません。

その点クラス図はプログラムの構造を表すためのルールが厳密に定められているためプログラムと1対1で対応する正確な図を描くことができます。いくらマインドマップで仕様が洗い出されたとはいえ、そのままプログラムを作成していくのは少々危険です。すべてをクラス図で描く必要はありませんが、プログラムが複雑になると予想される箇所は一度クラス図を描いてプログラムの構造をよく検討してからプログラムしたほうがよいでしょう。

クラス図はクラス、属性、操作、クラス間の関係からプログラムの構造を記述する図です。描き方はまずクラスを四角でかこみ上からクラス名、属性名、操作名を書き、属性名と操作名の左側に可視性を指定します。次にクラス同士の関係を関連や継承の線を使って引き、関連には関連名と多重度を指定します。

それでは実際のクラス図を見てみましょう。図1にMame Talkの連絡先一覧とチャットの関係を表したクラス図と、AndroidのActivityクラスの構造を表したクラス図の例を示します。

クラス図にはその他いろいろな表現方法があります。はじめのうちは「クラス」「関連」「継承」の描き方を覚えておけばよいでしょう。なおクラス図についての詳しい説明は「第3回:クラス図とオブジェクト図を学ぼう!」を参照してください。

図1:クラス図の具体例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ほとんど同じだけど少し違う機能を整理する

Android SDKのバージョンアップ対応も終わり、基本機能の実装がほとんどできたので、Mame Talkにグループチャットの機能を実装することになりました。グループチャットの機能は通常のチャット(個別チャット)と画面レイアウトも機能もほとんど同じなのですが、唯一参照するデータとデータの検索条件が違います。

はじめのうちは同じクラスに機能を実装していましたが、開発が進むうちに条件分岐が多くなってプログラムが複雑になっていきました。そこでチャットとグループチャットの機能を別のクラスに分けて開発することにしました。

ただ、クラスを分割すると言っても共通機能が全体の6〜7割を占めていたので、独自機能だけをうまく分割する必要がありました。このような場合、一度クラス図を使って構造を整理することで、プログラムが複雑になるのを防止することが可能です。次のページで実際どのように整理したか見てみましょう。 次のページ




株式会社豆蔵  藤田 泰介
著者プロフィール
株式会社豆蔵 藤田 泰介
中小ソフトハウス、コンサル系システム子会社にてVisual BasicやJavaを使った基幹業務システムの開発に従事。2007年4月株式会社豆蔵入社。現在アーキテクトとして活動中。
http://www.mamezou.com/


INDEX
第3回:クラス図でプログラムの構造を整理する!
クラス図の概要
  クラス図を使って共通機能と独自機能を整理する
  クラス図をプログラムに反映しよう!