PEARのライブラリを利用しよう!

2008年5月8日(木)
尾藤 正人

正しく設定されているかを確認する

 では実際にこのBenchmarkパッケージを使ってみましょう。ここでは、BenchmarkパッケージのTimerクラスを使うことにします。このTimerクラスはBenchmarkディレクトリの下にあるので、呼び出す際も同じようにパスを指定しましょう。

 まずは確認のために、正しく呼び出すことができるかを確認してみます(リスト5、リスト6)。正しく呼び出していることが確認できました。正しく出力されない場合は、include_pathの設定を見直してみましょう。

 では次に、実際にTimerクラスを利用してみます。Timerクラスは実行時間を計って出力するクラスです。今回はリスト7のようなスクリプトを用意しました。このスクリプトは、配列にブラケット"[]"で追加する場合と、array_push関数を使って追加する場合の時間を計測し、どちらがより高速かを見るものです。

 実際に、手元の環境で試したサンプルの結果はリスト8のようになり、正しく動作していることが確認できました!

 結果はマニュアルにも記載されているとおり、関数のオーバーヘッドがない分ブラケットの方が早かったようです。

注意するべきこと

 今回のBenchmarkパッケージはPHPの4または5の両方のバージョンで動作します。しかし、主にメンテナンスが行われていないパッケージの場合に多いケースとして、どちらか片方しか動作しない(またはあまり推奨されない)パッケージもありますので、利用する環境によっては使えないこともあります。

 また、今回のBenchmarkパッケージではオプションとしての扱いでしたが、特定のモジュールが必須のライブラリも存在します。この場合はレンタルサーバなどの環境で利用することが難しいことがありますので、よく確認してから導入してください。

 さて、いかがでしたでしょうか。今回は基本的なPEARパッケージの利用方法と実際の動作までを簡単に説明しました。先人の知恵はすばらしいものですし、恩恵は十二分に活用していけたらと思います。

 次回はさらに十二分に恩恵を受けるべく開発されたフレームワークについて説明していきます。

ウノウ株式会社
CTO。広島市立大学大学院在学中にVine Linux SPARC版の開発を行う。2002年4月、HDEに入社。2003年度未踏ユースプロジェクトに採択され、「みかん - サーバ自動選択型FTPサーバの開発」を行う。退職後、シリコンバレーに語学留学のため渡米。2004年12月、帰国してウノウに参画。写真共有サイト「フォト蔵」を開発中。ブログ:ベイエリア情報局http://blog.bz2.jp/

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています