人間を描くのはむずかしい?
男性を描く、女性を描く
人を描くことに慣れてきたら、もっと細かい描き分けがしたくなってきませんか。
大まかな人間のホネの形を見てきましたが、実は男性と女性では実はかなりバランスが違います。また、筋肉や脂肪の付き方も違います。図2と筆者が実際に描いてみたサンプルの動画(http://tedia.jp/movie/item.php?id=Du1Ce3aJzwk)を見ながら、男女の違いについて考えていきます。
まず、男性の特徴を思い浮かべてみましょう。
- ガッシリしている
- ごつごつしている
- 体が大きい
- 手足が大きい
- ヒゲが生える
次に、女性の特徴も思い浮かべてみましょう。
- ふっくらしている
- 肩が小さい
- 腕や足がほっそりしている
- 手足が小さい
私たちが一目で男女を見分けられるのは、これらの条件がインプットされているからかもしれません。
これらには少なからず、ホネの作りも影響しています。図2-1を見てみると骨格のバランスはだいぶ違うことがわかると思います。また、男性はホネや筋肉が表面に現れやすいので直線や四角で、女性は脂肪で丸く包まれてしまうので、曲線や楕円(だえん)を使って描いてあげると、男性らしさ、女性らしさを表すことができます(図2-2)。
もちろん、髪型や服装などのファッションで描き分けるのも楽しいことです。実際にお店や雑誌で気に入ったものを参考にして描いてみましょう。
大人を描く、子供を描く
次に、大人と子供の違いを考えてみます。子供はただ大人を縮小すればよいというものではありません。やはり、骨格のバランスが大人とは全く違うのです。これは人間の体の「成長する順番」に影響を受けています。
子供は先に頭が大きくなり、手足は後から長く伸びます。ですから、頭を大きく、手足を短く描くことで子供っぽく見せることができます。
具体的に人がどう成長するのか、図2-3を見てみましょう。0歳はだいたい4等身で、おへそのあたりが体の中心になります。4・5歳で5等身ぐらい。おしりのあたりまで中心が降りてきます。小学生になると男女の体つきの差が少し出てきます。高校生で6.5等身ぐらいになり、またのあたりが体の中心になります。手足も伸びてきます。20歳になると7等身ぐらいで、ほとんどの人は成長が止まります。
また、表情で年齢を表すこともできます。目の高さを低い位置に描くと子供っぽくなり、高い位置に描くと落ち着いた大人の顔になります。しわを描いたり、髪を白くしたりすることでも年齢を表すことができますし、ほっぺたを赤くすると子供らしさが出ます。基本的な等身を理解しておくことと、この様なちょっとした記号とでさまざまな年代の人を描くことができそうです(図2-4)。