線画をPhotoshopで彩色する方法

2008年12月26日(金)
兎本 幸子

描いたものを人に見せ、リアクションから学ぶ

さて、いろいろ練習してきたイラストですから、自分だけで楽しむのではなくほかの人にも見てもらいましょう。初めは少し恥ずかしいかもしれませんが、ほめられるとうれしくなってますます絵を描くことが楽しくなります。

時にはクマを描いたつもりが、「これはネコ?」と言われてしまうこともあるかもしれません。でも、自分がクマに見えても、人にはネコに見えてしまうギャップを楽しみましょう。その上で、どうしてネコに見えてしまったのか、原因を追究して描き直せばいいのです。

特に私たちは最終的にWebデザインの中に自分のイラストを加えていくことを目標としていますから、その時は不特定多数の人の目に入ることになります。

その時に、自分だけが満足していては意味がありません。もちろんあなたなりの表現は大事にするべきですが、「誰にでも理解できる状態にしておく」ことも必要なのです。ですから、まずは周りの人の反応で確認します。

見せる相手はどんな人でもかまいません。イラストレーター等、普段絵を描いている人に見てもらうと、自分の知らなかった技術や考え方に出会うことができて面白いでしょう。その人によって解釈が変わる面白さ、逆に全く違う人に同じことを言われる面白さもあります。自分のイラストを通じてほかの人が面白がったり、議論したりするのを聞くのは勉強になります。

また、絵を描かない人に見せるのも面白いものです。普段絵を描かない人でも何が描いてあるか理解することはできます。また、絵を見る多くの人は絵に詳しい人ではありません。そういった人たちの率直な意見は、きっとあなたが気を配るべき点を教えてくれるはずです。

打ち合わせでイメージを図解する

イラストを描いたり、人に見てもらうことに慣れてきたら、実際に仕事の場面で使ってみましょう。

まずは打ち合わせで描いてみます。人の前で絵を描くのは緊張します。ですがこの時も、初めからきちんとした完成図を描く必要はありません。ここでは完成 度よりもニュアンスを伝えることに重きを置いたイラストが必要です。これをラフイメージと言います。

「打ち合わせ」というのは、お互いの考えを確認し、理解し合い、だんだん1つに統一していく作業なはずです。ですからこの時のイラストも、自分の(ある いはお互いの)頭の中にあるイメージをだいたいの形、丸や四角から描き始め、描きながら細かく固められるようであれば固めればいいでしょう。違うアイデア が湧いたらそれも描けばいいですし(ここでも消しません。アイデアのログを残します)、相手の方がもっとここは大きくとか、小さくとか、意見されればそれ も描いていきます。みんなで1つの絵を作る感じですね。

筆者は、実際に使われるキャラクターやイラストのラフを描くこともありますし、また、その制作の流れや仕様などを図解することもあります。どちらにして も、ここで描くイラストはらくがきのように簡単なものです。細かいところは後で持ち帰って詰めるとして、ここでは素早くその時のアイデアを描きとめること に重点を置きます。

「百聞は一見にしかず」で文字や言葉だけでは伝わりにくいことでも、簡単なイラストを描くことですぐに解決することも多いはずです。ぜひあなたの力で、 打ち合わせをよりスムーズに進めてみてはいかがでしょうか。

1970年生まれ。多摩美術大学油画科卒業。イラストレーターとして活動する他、ウサギ王(株)のアニメーターとして映像作品も手がける。著書に「えんぴつ一本ではじめる イラスト手習い帖」「えんぴつ一本ではじめる スケッチ手習い帖」(MdNコーポレーション)、「イラストの学校 かわいい動物と。」「イラストの学校 たのしい人々と。」(BNN新社)などがある。犬とハワイをこよなく愛する。http://umotosachiko.com

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています