表示の概念
オブジェクトの参照・プロパティへの参照
では、生成したMovieClipのx座標とy座標の値を参照してみましょう。ActionScript 2.0までは、プロパティは_(アンダーバー)がついていましたが、3.0からはそれらはなくなり、単純にxやyとして参照できるようになりました。
myMc.x = Math.floor(Math.random()*root.stage.stageWidth);
myMc.y = Math.floor(Math.random()*root.stage.stageHeight);
上記のコードは、Flashのステージ上に、myMcがランダムの位置に配置されます。rootはメインのタイムラインを示し、stageはタイムラインのステージ…つまり、1ページ目に示した図の頂点、Stageを示しています。そのstageのstageWidthプロパティを参照することで、ステージの横幅を取得できます。高さも同様に取得できます。それらの取得した数値にMathクラスの乱数を返すメソッド、random()に掛けています。
メソッド・深度管理
MovieClipクラスには、パブリックプロパティと同様、上位のクラスから継承された数多くのパブリックメソッドがあります。その内、深度を取得するのがgetChildAt()です。深度とは、表示オブジェクトコンテナにおける表示リスト内の重なりの順位のことで、addChild()で追加された順に深度は深くなり、表示上では後に追加された表示オブジェクトの重なりが上になります。getChildAt()メソッドは、引数にindex(表示リストの順位)を指定し、それに該当する子表示オブジェクトインスタンスを返します。
関数myMcCreateは、前述したコードそのものです。MovieClipを生成し、円を描画し、表示するだけのものです。この関数をforで1000回繰り返し処理を行い、1000個のインスタンスを生成しています。
次に、firstChildCreateAgain()関数を見えてみましょう。このコードは、生成されたインスタンスの中で、深度が一番深いインスタンスに対して、再描画を行う関数です。まず、getChildAt(0)で最も奥にいるインスタンスを参照します。ここで参照して返ってきた値は、オブジェクトであるため、asキーワードを使用してMovieClipとして扱うように定義し、MovieClipの型をもつfirstChildに代入します。
次に、graphicsプロパティのclear()で、そのMovieClipに描画されているシェイプを初期化(消去)します。ここでは線を太くし、赤色に設定しました。これで、一番最下層にいるMovieClipが、赤い円で表示されます(図3)。
今回は表示や深度に関して触れてきました。Flashでは表示されているすべてのオブジェクトは表示リストに追加されていることをご理解いただけたでしょうか?次回はカスタムクラスとイベント処理について紹介します。