2008年のGoogleを振り返る!
話題になった日本版「Google Street View」
今年のGoogleに関する話題として外せないのが、日本版のストリート・ビュー(http://www.google.co.jp/help/maps/streetview/)でしょう。360度撮影できるカメラを搭載した車(通称「ストリートビューカー」)が、東京、大阪、京都などの街中を走り回り撮影した画像を、Google Maps上で閲覧できるというサービスです。
アメリカではだいぶ前にリリースされていた機能ですが、満を持しての日本版公開でした。「おもしろい」「さすがGoogle」という反応がある一方で、プライバシーを侵害されている、道路交通法に違反しているところがあるなど、ネガティブな意見も多く聞かれました。
確かに、自動的に顔を識別し処理を行っているというモザイク処理も、モザイクが薄かったり、場所や服装、背格好で人物が特定されてしまったり、人の顔は写らなくても民家の中が撮影されてしまったりと、プライバシー的に問題になった場所がいくつかありました。アメリカと異なり、家々が密集し、道路と家の距離が短い日本においてアメリカと同じ方式でStreet Viewを導入したのが間違いであるという声も聞かれました。
批判の声も多かったですが、ストリート・ビューの公開が止まるかというとそうではなく、その後もイタリアやスペインなど世界各国でストリート・ビューが公開されていきました。12月にはGoogle Mapsのインターフェースが、よりストリート・ビューをフューチャーする形に変更されました。
今後どのようにセキュリティやプライバシーの問題に取り組んでいくのかという点に注目したいと思います。
その後の盛り上がりが気になる「Google App Engine」
「Googleがインフラを一般の開発者に開放」という触れ込みで話題になったのが、Google App Engine(http://code.google.com/intl/ja/appengine/)です。
ローカルでの開発環境やアプリケーションを簡単に本番環境へデプロイできるツール、管理コンソールの提供など、クラウドコンピューティングとして先行していたAmazon EC2よりも使い勝手が良い部分がある一方で、「対応している言語がPythonだけ」「有料オプションがない」「RDBではなくGoogle独自の仕組みを利用なければいけない」といった問題点により、爆発的な普及とまではいきませんでした。
その後、対応言語を今後拡張していくというアナウンスがあったり、無料利用を超えた分の利用は有料で提供することが発表されたり、メールやキャッシュのAPIが提供されたりと、開発者がより利用しやすい環境にはなりつつあるようです。Google App Engine発の有名サービスが登場すると、また流れが大きく変わるかもしれません。