乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖

2009年1月23日(金)
加茂 雄亮

Flash CS4ではじめる本格アニメーション制作!

 それでは先ほど紹介した機能を押さえながら、Flash CS4で新たに追加された3D関連ツールを使いつつ、実際にトゥイーンを制作する過程を紹介していきます。

 サンプルの動画(http://rd.67.org/test/kamo/Think_IT/20090120_new_feature_flashcs4/#flash_3d)を見ていただければ、どれだけ簡単に3Dアニメーションが行えるか理解していただけると思います。また、サンプルファイルをダウンロードできますので、参照ください。(799_1.zip/25.7 KB)。

 3Dツールを使用するには、ムービークリップが必要です。今回からシンボルに変換時にライブラリ内のフォルダを指定できるようになったため、効率的にライブラリ管理ができるようになりました。

 ライブラリ関連はCS4で非常に強化されており、ライブラリ内のアイテムを検索することもできます。ムービークリップインスタンスがステージに配置されていることを確認したら、ムービークリップインスタンスを右クリックして「モーショントゥイーンを作成」を選択します。すると、自動的にインスタンスが配置されているレイヤーのフレームが設定されているfpsに従って伸び、再生ヘッドが最後部まで移動します。

 CS3まで手作業だった部分が自動化され、あとはそのままムービークリップインスタンスを移動するだけで、手軽にアニメーションさせることができます。直線的な動きは、インスタンスをドラッグするのみの作業になりますが、CS3までのようにガイドを作成し、カーブに沿って動くような細かい軌道を制御するためには、モーションパスを用いることになります。モーションパスは、トゥイーンを作成した時点で自動的に生成され、インスタンスはこれを基準として動くようになる。

3Dアニメーションも手軽に!

 XY軸の動きは、先ほど紹介した方法だけでほぼまかなえますが、Z軸は制御できません。CS3まで、Flashにとって3Dは一部の高度なActionScriptスキルを持つデベロッパーのみが扱うことのできる特別なものでした。これがCS4になってデザイナーも気軽に3Dアニメーションを制作することができるようになったわけです。3D関連のプロパティを調整する方法は4つあります。

・3Dツール
・プロパティパネル
・モーションエディタ
・ActionScript

 上記の中でもデザイナーなら、3Dツールとモーションエディタが使いやすいでしょう。

 3Dツールには2つあり、1つは3D変換ツール、もう1つは3D回転ツールです。これらはツールバーに格納されており、使い方は、AfterEffectや3dsMaxなどとまったく同じで、もちろん初心者にも直感的に操作することができます。

 3D変換ツールは、XYをはじめ、Zプロパティの調整がドラッグ操作で行うことができ、3D回転ツールはFlashPlayer10で新たに登場したプロパティ、rotationX/Y/Zをそれぞれ自由変形ツールのように回転させて調整することができます。ただし、3D変換ツールを用いてドラッグ操作による調整には限界があるため、プロパティパネルやモーションエディタで調整した方が良いでしょう。なお、rotationX/Y/Zはプロパティパネルからアクセスすることはできず、モーションエディタから調整しなければならない。

 さらにFlash CS4では3Dで重要な、物体が距離に比例して近づいていくいわゆる消失点(vanishing point)を設定することもできます。消失点はムービークリップのプロパティパネルから調節することができます。初期値はステージXY中央であり、1つのドキュメントに対して唯一のものになるため、調整すると3D関連プロパティを設定しているムービークリップすべてに影響があるので注意しましょう。

 3Dアニメーションは手軽ですが、レギュレーションが心配の方も多いでしょう。実際、FlashPlayer10でなければユーザーは見ることはできないので、実務で使うには、もう少し先になるかもしれません。今後のFlashPlayer10の普及に期待するしかないのが現状です。

  • 「乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖」サンプルプログラム(1)

  • 「乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖」サンプルプログラム(2)

株式会社ロクナナ
ActionScriptを伴うFlashコンテンツやXHTML+CSS+JavaScriptによるAjaxコンテンツなどのRIA開発に従事。Flash/ActionScript 3.0やXHTML+CSSに関する講義・執筆活動にも取り組んでいる。http://www.rokunana.com/

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