ESPでファイルサーバーを徹底活用

2009年1月29日(木)
松田 潤
見える化でファイルサーバーを徹底活用

Excelレガシーを解決する

見積書や請求書、決算書、設計書、計画表、実験報告など、日々の業務においてExcelは不可欠なツールになっています。しかし、一度作成されファイルサーバーに保存されたExcel文書は、どこに保存されているのかを忘れてしまったり、同様の内容のものが作成されているかどうか分からないために同じ文書を何度も作成するなど、有効に活用されていないのが実情です。これが、Excelレガシーと呼ばれる問題です。

例えば、ある大手製造業の例では、設計変更が発生した場合、数十種類に及ぶExcelで作成した設計書の整合性を人手により確認しています。しかし目視による確認には限界があり、重大な不具合を見逃してしまうことで大きな損害が発生しています。また、ある大手部品製造会社では、Excelで作成した過去の実験結果が見つからなかったために、同じ実験を繰り返してしまい、ムダなコストと時間を消費したりしています。

このようにExcelレガシー問題は、企業にとって見過ごすことのできない危機的な状況を生み出してしまうものの、Excelはすでに多くの業務で必要不可欠となっており、その利用を止めることは現実的ではありません。このExcelレガシー問題の有効な解決策として、CBESではオプション機能として「Excel文書構造化・検索ツール」を提供しています。

キーワード検索でExcel文書を探すと、目的の文書を探し出すのが意外に難しいことに気がつきます。例えば、「実験日」が「2008年9月1日」の情報が入っているExcel文書を探す場合、キーワード検索で「実験日 2008年9月1日」のようにキーワードを指定しても、文書内のどこかに2つのキーワードが含まれている文書が探し出されるだけで、「実験日」が「2008年9月1日」のように項目と値を組み合わせて検索できるわけではありません。

Excel文書構造化・検索ツールは、Excelにアドインする機能を利用してXML形式のインデックスを作成することで、表の項目や値を指定した検索といったExcelの構造をいかした確実な検索が可能になります。

ウィザード操作だけでXML変換定義を自動生成し、CBESのインデックスに登録する仕組みを提供します。一度、定義変換を行えば、その後はExcel文書を指定されたフォルダに保存するだけで、自動的にXMLに変換され検索可能になります。また、XML変換定義を行う際に自動的に検索画面も作成され、この検索画面を業務アプリケーションに組み込むことも可能です。

ファイルサーバーはそのままでExcel文書を有効活用

ファイルサーバーに保管されたExcel文書を再利用するために、フォルダを細分化して管理するなど運用上の工夫をする場合もあります。しかし、それではフォルダ構成に依存した文書活用になってしまいます。Excel文書内の多様な項目をいかして検索できなければ、多種多様なユーザーの文書活用のニーズには対応できず、結局のところExcel文書の再利用は進みません。

Excel文書構造化・検索ツールを利用することで、ファイルサーバーに保存されているExcel文書を、あたかもデータベースで管理されているかのように探し出すことができます。ファイルサーバーでの保管/運用はそのままで、Excel文書の再利用を促進することが可能になるのです。

株式会社ジャストシステム
エンタープライズマーケティング部 部長。鐘紡株式会社にて、主に金融機関向けシステムの開発・導入や、企業向けパッケージ・ソリューションの企画、事業化を担当。94年より株式会社ジャストシステムに移り、企業向けソリューション販売事業を担当。ConceptBase事業については、事業企画から、アライアンス、KMエバンジェリストまで、幅広い活動を行っている。http://www.justsystems.com/jp/

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