PRサイトの設計時に知っておきたいこと

2009年2月18日(水)
後藤 大典

PRサイトは「集客方法とセットで」考える!

 Webサイトが紙などの媒体と異なるのは、ページそのものでは集客がまったくできないということだ。PRサイトの場合には、短期間で運用し、成果を上げなければならないことも多く、コストをかけた集客が不可欠なことが多い。つまり、PRサイトで効果を上げるには、具体的な「集客方法とセットで」考えなければならない。

 集客方法にはさまざまな方法がある。顕在化した見込み客を誘導することができ、現時点で費用対効果の最も高いものは検索エンジンを経由した誘導で、その中でもリスティング広告が手っ取り早い。リスティング広告は数百~数千、あるいはそれ以上のキーワードで誘導することができ、誘導先のURLも複数設定可能なため、複数のニーズや商品に細かく対応することができる。

 テレビCMや新聞などで特定のキーワードによる検索を促すような告知を行い、その受け皿としてPRサイトを活用する場合には、JWord(http://www.jword.jp/)も選択肢に入ってくる。クリックした分だけ広告媒体費を支払うリスティング広告に比べ、JWordは年間費用として一定額の媒体費で済むのが利点だ。JWordは、自社の商品名やサービス名が固有名詞で広く認知されているのあれば、お勧めの媒体である。

 ターゲット層が確実に利用しているポータルサイトなどがある場合は、バナー広告を掲載する方法もある。また、運用ノウハウが必要で手間もかかるが、アフィリエイト広告の活用も一考であろう。

 これら集客のための広告においては、その文面にも考慮すべきである。当然であるが、広告文面はランディングページのキャッチコピーと矛盾があってはならない。また、「5%割引」や「3月31日まで」、「限定100名」など、お得感のある「数字」や「限定性のある言葉」を入れることで、広告のクリック率は高くなる傾向にある。

プロモーションにおいて押さえるべき数字とは?

 短期間のプロモーションであっても、広告媒体ごとにCTR(Click Through Rate:クリック率)とCVR(Conversion Rate:コンバージョン率)を取得することは必須と考えてほしい。1カ月以上のプロモーション期間があれば、期間中に広告媒体ごとの予算を随時変更することもできる。また、1カ月以下のプロモーションの場合も、次回以降の同様のプロモーションに役立つので、数値を取得するべきだ。

 商材や広告媒体によりCTRやCVRは大きく異なるが、リスティング広告の場合にはCTRは3%、CVRは1%が目安となる。リスティング広告の場合には、広告の掲載位置によってCTRはほぼ決まっており、1~2位に表示させることでCTRは3%程度を見込むことができる。

 筆者の経験では、最低でも1%、標準的には3%のCTRがなければリスティング広告のプロモーションは成功しないことが多い。ちなみに、CPC(Cost Per Click:クリック単価)については「多少高め」と感じても、積極的に1~2位に表示させることをお勧めする。クリック率が高まれば、広告の品質が高まり、広告キャンペーン全体の平均CPCが下がるからである。そのため、CPCの高さはそれほど気にしなくてもよいだろう。

 CVRについては商材の金額やアクションとして求めるものにより大きく異なる。筆者の経験上、1%前後が最もCPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)が最適化される。面白いことにCVRが1%前後の場合、CPAは5,000~30,000円の範囲に収まることが多い。逆にいえば、CTRが3%なのにCVRが0.1%の場合、「アクションとして求めるハードルが高すぎる」や、「アクションページまでの誘導経路に問題がある」など、何らかの改善が必要となる。

 リスティング広告以外の広告媒体の場合、CTRやCPCは媒体の性質により大きく異なるため単純な比較は難しい。しかし、CVRやCPAは広告媒体の効果を判断する基準の1つとして参考となるため、優劣を考える際にはCVRとCPAを比較するとよいだろう。

株式会社スパイラル
代表取締役。2000年株式会社神戸デジタル・ラボに入社、インターネット関連部門の立ち上げにかかわる。その後、ウェブマーケティングコンサルティング会社にて、企業サイトのコンサルティングおよびアクセス解析ツールの企画を行う。2006年にマーケティング企画会社、株式会社スパイラルを設立。http://www.sprl.jp/

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