PRサイトの設計時に知っておきたいこと

2009年2月18日(水)
後藤 大典

PRサイトのデザインにおける3つのコツ!

 PRサイトを制作するにあたり、特にデザイン面において留意すべき点は以下の3点に集約することができる。

1. 訪問者の心を揺さぶるエモーショナルなキャッチコピーがあること
2. 訪問者にとっての具体的なメリットが端的に複数明記されていること
3. 訪問者に行ってほしいアクションが明確であり、迷わず到達できること

 最もコンパクトなPRサイトは、「1ページ+アクションページ」で構成するものだ。リスティング広告などの広告媒体から誘導するために制作する「ランディングページ」がその典型的なものだが、ページがコンパクトであっても、上記の3点に留意してデザインする必要がある。

 ランディングページは、離脱率を下げ、かつアクションへと直結させるために、基本的には1ページで完結する。1ページで完結させるために、ページは少し長くなり、上から下へと数画面ほどスクロールすることになる。

 ページを上部、中部、下部と大きく3つのエリアに分けると、それぞれに入れ込むべき内容は以下のようになる。

 上部は、広告での誘導文面と矛盾しないキャッチコピーを大きく掲載する。必要に応じてサブキャッチコピーも併記する。上記で述べた(1)の部分であり、「訪問者の明確なニーズを満たす」や、「訪問者に隠れたニーズを気付かせる」のいずれかのキャッチコピーを入れる必要がある。いわゆる「つかみ」の部分であり、訪問者を引き込むためにとても重要な部分であり、デザインの質も問われる。

 中部には、訪問者に資料請求や見積もり依頼などのアクションをしてもらうために、それを行うことで訪問者にとってどんなメリットがあるのかを明確にしなければならない。「何かがもらえる」や、「今なら安くなる」という特典でもよいし、その商品やサービスを導入することで「業務が改善する」や、「売り上げが上がる」といった訴求でもよい。訪問者がアクションをすることで得られる具体的なメリットを、できれば数点、明記しておきたい。

 下部は、「目的の明確化」をした上で、訪問者に望むアクションを絞り込み、アクションページに積極的に誘導することが必要だ。縦に長いランディングページの場合は、ページの最下部だけでなく、ページ内の数カ所に申し込みフォームへのボタンを複数設置することで、離脱させない工夫も重要だ。

 複数ページで構成されるPRサイトの場合も、必要とされるコンテンツは基本的には同じである。「上部」をトップページ、「中部」をミドルページ、「下部」はすべてのページに当てはまるものと考えて差し支えない。ページ数に余裕がある場合には、第三者が言及するコンテンツ(利用者の声、専門家の声など)により、訪問者にとってのメリットの信ぴょう性を高めることができる。

訪問者にとってのメリットは3パターン!

 冒頭で、デザイン面において留意すべき点として「2. 訪問者にとっての具体的なメリットが端的に複数明記されていること」を挙げた。では、訪問者にとっての具体的なメリットとは、何であろうか?

 まず、訪問者のメリットは、大きく以下の3つのパターンに分類できる。

1. 商品そのものがメリット
2. 直接的なメリット
3. 間接的なメリット

 では、それぞれについて、具体的に解説していこう。

 「1. 商品そのものがメリット」は、商品やサービスそのものが魅力的でかつ希少であり、商品の購入そのものがメリットになるパターンだ。ただし、そのような商品は少なく、あったとしても他社も同様の商品を取り扱っている場合が多いため、以下のメリットとの組み合わせで用いられる。

 「2. 直接的なメリット」は、「プレゼントが当たる」や「割引が受けられる」など、得られるもの自体に金銭的な価値があるものだ。

 「3. 間接的なメリット」は、「オフィスのレイアウト提案をしてもらえる」や「先行予約ができる」、「技術的な資料がPDFでダウンロードできる」など、商品の導入や購入に際して判断基準や便利なサービスを提供するといった、商品の購入を検討している見込み客にとって、役に立つものである。

 一般的に、新規顧客を獲得するためには直接的なメリットが、既存顧客をターゲットにするには間接的なメリットが用いられることが多い。PRサイトにおいては、ターゲットとなる中心の顧客が、新規なのか既存なのかにより、メリットの設計が異なるので注意しよう。

株式会社スパイラル
代表取締役。2000年株式会社神戸デジタル・ラボに入社、インターネット関連部門の立ち上げにかかわる。その後、ウェブマーケティングコンサルティング会社にて、企業サイトのコンサルティングおよびアクセス解析ツールの企画を行う。2006年にマーケティング企画会社、株式会社スパイラルを設立。http://www.sprl.jp/

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