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マイクロソフトUS本社見学ツアー:2日目(2)

2009年3月11日(水)
シンクイット編集部

Azureは開発者に新しいチャンスをくれる

 優秀者3名の興奮のレポート、三者三様の感じ方、表現、意見がある中で、共通するのはやっぱり「時代を作っていく開発者たち、すげー!」の思いなのではないでしょうか。力のある開発者と開発者が出会って、話をする。そこには、企業の違い、国籍の違い、言葉の違いなんて簡単に飛び越せてしまう開発者の熱い思いが存在します。しかもお互いのそれが共鳴し合って、ものすごいエネルギーが生まれているのがひしひしと感じられました。

 では、ここからはタイムラインにしたがって、セッションの内容をごくごく簡単にご紹介していきましょう。

 最初のセッションが「Azure」(http://www.microsoft.com/azure/default.mspx)開発メンバーとの打ち合わせ。ご存じとは思いますが、Azureとは、マイクロソフトが提供する新しいクラウドサービスの総称で、利用者はそのプラットホームを介してOSと開発環境を利用できるだけでなく、開発したアプリケーションをAzure上で稼働させることもできます。

 登場したのは、Brandon Watson氏。彼はWindows Azureのプロダクトマネジャーです。2008年のProfessional Developers Conference(PDC)で発表したとおり、Azureサービスには、コンシューマ向けツールの開発を対象としたLive Service、既存システムをクラウド上で統合する.NET Services、SQL Serverのデータベースクラウドを実現するSQL Servicesなどがあります。今回はリレーショナルデータベース関連の機能を強調していました。

 スケーラビリティと機能性(リレーショナルか非リレーショナルか、あるいはコスト)という視点からデータベースを分類する中で、まさにその中間あたりの空白を狙ったサービスとして、AzureのSQL Servicesを投入したい、とWatson氏。つまり、リレーショナルデータベース駆動型のアプリケーション開発者の多くをこの空間に引っ張りたいということです。

 「ハードウエアなどの環境が不要になれば、新しいことに挑戦しやすくなる。インフラとなる開発プラットホームを提供するから、多くの開発者にさまざまなアプリケーションを作ってもらい、またAzure上で運用してほしい」。

 開発者としては、フレキシブルで相互運用性に優れている開発環境が新しい選択肢として登場するのはとてもうれしいですね!さらに、ここでは、今後の予定として、Think ITが読者ならきっと喜ぶであろう予定を聞きましたが、残念ながらこちらの正式発表はもう少し先のMIX09(http://www.microsoft.com/events/mix/default.mspx)の予定だそうです。

 続いて、マイクロソフト内のOpen Source Technology CenterのHank Janssen氏とTom Hanrahan氏が、オープンソースソフトウエアとの相互運用性確保の取り組みについて説明しました。マイクロソフトはレドモンドキャンパス内に400種以上のLinux Distributionを稼働させているラボを持っています。それぞれ、オープンソースソフトウエアとマイクロソフト製品との組み合わせでより良いIT環境を提供するために活動しています。

 彼らからは「Windowsプラットホームでもっと多くのオープンソースアプリケーションが動くようにしたい」という思いがひしひしと伝わってきました。OSがWindowsであるならば、その上にどんなものがのってもかまわないし、どんどんのってほしい...あけすけに言うならばそんな戦略です。その一環として、PHP 5.3のプロジェクトのコミュニティーとマイクロソフトの共同活動などが紹介されました。

 実際、OSがWindowsならば仮想環境でLinuxが動くことも大歓迎なのです。実際Hyper-Vの仮想化環境では、Novelとの提携によりSUSE Linuxとの相互運用性を実験、評価するための施設が稼働していますし、今後はRed Hatとの提携によりRed Hat Enterprise Linuxとの相互運用性も期待できます。Red Hat Enterprise Linuxとの相互運用性については、具体的なことは何か動いているのを尋ねてみると「Novelとは別の取り組みとして考えている。実験などは徐々にはじめているよ」とのこと。Hyper-V上のRed Hat Enterprise Linuxで苦労している開発者にとって、これは朗報ですね。

 ところでこのミーティングは途中でランチを挟みながら行いました。優秀者たちがここにいられるのは1日だけなので、休憩を取るよりも、多くの開発者とじっくり話をする時間を優先させていただいた結果です。ちなみに、ランチのサンドイッチ、おいしかったです!
 

重い車輪ならば、動かそうとする人力を増やせ!

 続いて登場したのが、Sam Ramji氏。マイクロソフトのオープンソース戦略の顔として、メディアやイベントにも頻繁に登場する彼についてはご存じの方も多いのではないでしょうか。

 印象的だった彼の言葉をいくつか引用してみましょう。

 「僕たちのオープンソース戦略を表すキーワードとして、4つのCがある。まずはCustomerとなるユーザーが一番大事で、彼らが求めているものを作っていきたい。もちろん、そこにはCompetitionも多いけれど、必ずしもやっつける対象としてだけではなく、彼らの製品やサービスとCollaborateする方法を探っていきたいんだ。その上で、ユーザーや競合相手を含めたCommunicationを取りながら問題解決を図っていきたいし、アイデアを取り入れていきたい。リスクもあるかもしれないけれど、こういうことは大勢でやった方が、賢いものができると信じている」

 「マイクロソフトでオープンソースを推進するということは、重い車輪を回すようなもの。重い車輪を1人で回そうとしてもなかなか回転しない。だけど社内で多くの人に説明をし、理解が深まるにつれ、今ではチームとして120人のメンバーが協力してくれている。もちろんそれだけ集まっても重い車輪だからすぐには動かない。だけど、今少しずつ車輪が回り始めていることを実感しているよ」

 「Azureの開発チームともこうしたビジョンを共有している。社内のいろいろな場所でオープンソースソフトウエアの存在感やサポートの重要性などを伝えることで、段々グッドニュースが増えているんだ」

 Ramji氏のこれらのメッセージを聞けばわかるように、彼に賛同したメンバーが中心になって旗を振ることで、マイクロソフトのオープンソース戦略は、これまでにないほどの真剣さと強力さをもって取り組まれるようになっているのです。

著者
シンクイット編集部

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