ODEでロボットシミュレーション開発環境を構築しよう!
ODEインストールの準備
ODEはライブラリであるため、それを使用するC言語開発環境が必要となります。ここでは、マイクロソフトから無料で配布されているC++開発環境「Visual C++ 2008 Express Edition」(以降、VC2008EEと略します)を利用します。この組み合わせにより、完全無料の3次元ロボットシミュレーション開発環境を構築します。
VC2008EEの入手には、Microsoft Visual C++ 2008 Express Editionは、Microsoft Visual Studio 2008 Express Editionsのサイト(http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/express/)にアクセスしましょう。
このソフトウエアのインストール方法はインターネットから直接ダウンロードする「WEBインストール」(容量約300MB、VC2008EEのみ)と、DVD イメージファイルをダウンロードしてDVDメディアに書き込んだ後インストールを行う「オフラインインストール」(容量約1GB、Visual Basic 2008 Express Edition等を含む)の2種類がありますので、自由に選んでください。
最新版ODEのインストール(ライブラリ構築まで)
ODEはオープンソースという特性上、日々その性能を向上させているため、こまめにODEのサイトをチェックして新しいバージョンをインストールすることが重要となります。そこで本節では、2009年5月20日現在、最も新しいバージョンであるODE0.11のインストール方法を説明します(※)。基本的には旧バージョンも方法は同じですので、参考になるでしょう。
※:2009年5月24日に「ODE0.11.1」がリリースされました。インストールにおいてフォルダ名を「ode0.11.1」にする以外は、全く同様なインストール方法となります。
まずはODEの入手です。ODEのサイト(http://www.ode.org)に行き、左メニューにある「Download」をクリックしてください。表示されるページの「Binary Release」の直後にあるリンク「Binary releases for windows」をクリックすると、最新版のODEがダウンロードできるSourceForge.netページに行くことができます。
ダウンロードページで「Download」をクリックすると、3種類の圧縮ファイル「ode-0.11.tar.bz2」「ode-0.11.tar.gz」「ode-0.11.zip」があります。この中の「ode-0.11.zip」をダウンロードしてください。ダウンロード後、zipを解凍し、「ode-0.11」フォルダをCドライブ直下(「C:\ode-0.11」となるように)に置いてください。
次に、ODEの核となる動力学計算ライブラリファイル、3次元描画ライブラリファイルの構築を行います。以下の手順に従って、インストールを行ってください。
1. 初めにコマンドプロンプトを起動してください(スタート>すべてのプログラム>アクセサリ>コマンドプロンプトと選択)。
コマンドプロンプト上で「cd c:\ode-0.11\build」と入力した後、リターンキーを押して「C:\ode-0.11\build」のフォルダに移動してください。
2. 次にコマンドプロンプト上に「premake4 --with-demos --with-tests vs2008」をタイプしリターンキーを押してください(図2-1)。すると、「c:\ode-0.11\build」フォルダ内に「vs2008」フォルダが作成されます。
3. 「vs2008」フォルダ内にある「ode.sln」をダブルクリックして、VC2008EEを起動しましょう。そして、VC2008EEウインドウの左側にある「ソリューション エクスプローラ」ウインドウ内にある「ソリューション“ODE”(33プロジェクト)」にカーソルを合わせ、マウスを右クリックした時に表示される「ソリューションのビルド(B)」を選択してください(図2-2)。