ロボットはソフト開発プラットホームだ
ロボットがなにをしてくれたら楽しいか?を考える
皆さんに考えていただきたいのは、このようなロボットが皆さんの家に来たとして、「ロボットがなにをしてくれたら楽しいか?」ということです。
実はこの質問がロボットを“一家に1台”にするキーポイントだと思っています。
と言うのは、皆さんこういう経験がないのでなかなかわからないだろうと思うのです。いささか乱暴ですが、「馬車の時代の人に自動車の使い道を考えろ」と言っているのと同じだからです。
だから皆さんに想像力を働かせていただきたいのです。実は私はずっとこのことをお話し続けているのですが、なかなかご理解いただけませんでした。しかし、前回ご紹介した動画を見ていただくと、皆さんの創造力に刺激を与えることができたのではないかと思います。
もう1つお話しておきたいことがあります。それはロボットと一般的IT機器の違いについてです。
ロボットはIT機器の仲間だと私は言っていますが、そうは言っても一般的IT機器とは決定的な違いがあると私は思っています。それは、ロボットは外見がフレンドリーで、人がそれを見たときに“感情移入ができる”ということです。
ロボットと言ってもいろいろな外観のタイプがありますが(ぬいぐるみのようなもの、メカニックなもの、キュートでかわいいもの、など)、共通して言えるのは、“人間が話しかけることに違和感がない”ということだと思います。
パソコンに話しかける人はめったにいないと思いますが、ロボットなら話しかけても違和感がないでしょう?
この動画をご覧ください。
ロボットは人間が手にした、感情移入できるIT機器
上の動画は大変評判が良く、日本人ばかりでなく、海外の方にお見せしても大ウケします。特に米国の方々は、転げ まわって喜んでくださいます。
皆さんもこれを見ると不思議な感覚がしないでしょうか?昔、私はAIBOの開発チームにかかわっていましたが、初めてAIBOが動き出したのを見たと き、AIBOに命が宿ったような感じがしました。それに似た感覚があると思います。
「外観のかわいさ+動きによる生命感」のあるロボットは、ほかのIT機器には感じない感情を人間に抱かせてくれます。つまり「感情移入ができる」という ことです。
この感情移入ができる場合とできない場合で、アプリケーションには大きな差が生じると思われます。
感情移入されたIT機器は、ユーザーが気を許してくれますから、普段はできないようなコミュニケーションができるようになります。それを生かして、より フレンドリーで楽しいアプリケーションが作れると思うのです。