コネクションプールで接続負荷を軽減!
コネクションプールの設定
それでは実際にコネクションプールの設定をしてみましょう。今回は同一マシン上でpgpool-IIとPostgreSQLを起動し、pgpool-IIのポートは9999、PostgreSQLのポートは5432(それぞれデフォルト)とします。
まずpgpoolAdminの画面から「pgpool.conf設定」を選択します。
最初にバックエンドの追加します。pgpool-IIが接続するPostgreSQLの情報を入力します。「Backends」セクションの「追加」ボタンを押すと、新しいバックエンドの情報を入力する欄が表示されます。ここで、以下のように入力します。
・「new backend_hostname」に「localhost」
・「new backend_port」に「5432」
・「new backend_weight」に「1」
なお、pgpoolAdminを使わずに直接pgpool.confを書き換える場合は以下のように記述します。
backend_hostname0 = 'localhost'
backend_port0 = 5432
backend_weight0 = 1
なお、直接書き換える場合は、以下の記述も忘れずに行います。
backend_data_directory0 = ''
次に、num_init_childrenとmax_poolの設定を行います。
num_init_childrenのデフォルト値は32、max_poolのデフォルト値は4となっています。この値で問題は無いのですが、今回はpgpool-IIの動作を確認するためにより小さな値を設定してみます。num_init_childrenとmax_poolにそれぞれ2を設定しましょう。
ここまで入力したら、画面最下部の「更新」ボタンを押します。
「pgpoolステータス」画面に戻り、「pgpool起動」ボタンを押します。正常に起動した場合、「ノード情報」の欄に「ノード稼動中。接続無し」と表示されます。
では、psqlからpgpool-IIに接続して動作を確認してみましょう。なお、postgresql.confのlog_connectionsとlog_disconnectionsをonとすることで、実際にいつPostgreSQLに接続と切断が行われたかをログに出力することができます。
$ psql -p 9999
pgpoolAdminのpoolステータス画面から「プロセス情報」ボタンを押すと、PostgreSQLへの接続が確認できます。ここで、psqlを終了させてもchild_life_timeの5分間の間は接続が保持されていることが確認できます。また、psqlの終了と起動を繰り返すと「コネクションの使用回数」がカウントされていきます。
複数のpsqlを起動して接続すると、3つ目のpsqlを起動した時に接続されずに待ち状態になり、ほかのpsqlを終了すると接続されることが確認できます。
注意点
最後に注意点をまとめておきます。
CREATE TEMP TABLE文で一時テーブルを作成した場合、pgpool-IIを介さない場合はクライアントが切断した時に自動的にテンポラリテーブルも削除されますが、pgpool-IIのコネクションプールで接続が再利用された場合、テンポラリテーブルが削除されません。
PostgreSQL 8.3以降では、pgpool.confのreset_query_listを「ABORT; DISCARD ALL;」と設定しておくことで、クライアント切断時にテンポラリテーブルなどの一時的なリソースをすべて開放させることができます。
また実行中の問い合わせをキャンセルするには、別に1つの接続が必要となります。すべてのクライアントからキャンセルを確実に行えるようにするためには、想定される接続数の倍をnum_init_childrenに設定する必要があります。
今回はpgpool-IIのコネクションプールの機能について説明しました。次回は、レプリケーションと負荷分散について解説します。