自宅サーバーを粋に使いこなそう
バックアップの仕組みを取り入れよう
自宅サーバーに用いられるハードウエアは、業務用サーバーと違って安いハードウエアや中古PCなどで構築される場合が多いようです。しかしそのことが原因で「自宅サーバーが故障してデータが飛んでしまった」という悲鳴をよく聞きます。そんなことにならないためにも、自宅サーバーにおいてもバックアップの仕組みは必ず取り入れておきたいところです。
自宅サーバーでよく用いられるバックアップの仕組みは以下の通りです。
・定期的に待機系内蔵ハードディスク、外付けハードディスクもしくはUSBメモリーなどにデータを退避させる。
・定期的にほかのサーバーにデータを退避させる。
・データが少量の場合、定期的にデータをメールで送信する
単にバックアップと言っても、セキュリティー対策を施したり、常時稼働しているデータベースからデータをオンラインで取り出したり、もしくはほかのサーバーにデータを退避させたりする場合、自動認証をどのように行うか考えたり……と一筋縄では行きません。しかし、そのあたりの方法論を習得していくのも自宅サーバー構築の楽しみの1つとなりそうです。
余談ですが、最近著者はバックアップ用メディアとしてもっぱらUSBメモリーを用いています。バックアップが必要になったら数百円のUSBメモリーを買ってきてサーバーに挿しこみ、簡単なスケジュールを組むことで定期的なバックアップを実現させています。ほかのバックアップ方法と比べて楽で簡単なのでお勧めです。
ネットワークにも凝ってみよう
サーバー構築に慣れている人でもネットワークに詳しくない人は意外と多いようです。せっかくの自宅サーバーですから、職場でできないようなさまざまなネットワーク設定を試してみるのは勉強になりますし、おもしろいものです。
とはいえ何をやったらいいか思いつかない方も多いかと思いますが、ざっと思いつくだけでも以下のような例があります。
(1) サーバーにはプライベートIPアドレスを振っておき、ルーターの静的IPマスカレード機能を使って必要なポートだけ外部公開する。
(2) 自宅サーバーを3台以上用意し、1台をルーターとして構築し、ルーターをはさんだそれぞれ別セグメントのLANを構築する。
(3) 市販のブロードバンドルーターを使わず、自宅サーバーでルーター機能も実現する。
(1)は市販のブロードバンドルーターを使えば簡単に実現できます。(2)は自宅サーバーを複数台稼働させている自宅サーバーマニアの方であれば、大抵必要に迫られて実現しているでしょう。
しかし(3)については、現在のようにとても安価にブロードバンドルーターが購入できる時代にわざわざここまでやる人は少なくなりました。ただ、ネットワーク周りの勉強という観点で見るとこんなに良い題材はありません。ISPとのPPPoE接続、ルーティング設定、DHCPサービス、そしてファイアウォール設定などなど、サーバー管理者が身につけておきたい一般的な技術が盛りだくさんですので、時間に余裕があればぜひチャレンジしてみましょう。