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オープンソースで構築する業務システム特集 |
第3回:「GARAGARADOA」をオープンソースとした影響
著者:ニユートーキヨー 湯澤 一比古 2006/6/2
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オープンソースとしての公開
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ちょうど2002年頃から、早稲田大学大学院の国際情報通信科はOSCARアライアンスと共同でUSFOS(User Service for Open Source)という研究テーマを共同で進めていた。
わかりやすく短い言葉で簡単に説明すると、「オープンソース開発の手助けをするためにはどのようなWebサーバを利用し、どのようなサービスが用意されればよいのか」ということを研究するというプロジェクトである。これが完璧にでき上がれば、ちょうどSource Forgeのようなサービスの拡張版になったのでないかと思われる。
2002年9月からGARAGARADOAはUSFOSのサンプル課題として採用された。このことからGARAGARADOAはUSFOSのサーバからダウンロードできるようになり、広くオープンソースとして公開されることになった。
またダウンロードだけでなく、同サーバ上ではGARAGARADOAの動作テストも可能であり、公開当初は多くのアクセスがあったと記憶している。この時にGARAGARADOAの命名をしたが、これはバスク語でビールの意味をさす。名付け親は当時WDIの仕入れ担当であり、外食向け受発注システムのオープンソースCervezaの利用の件で親しかった戸田氏である。
また、「GARAGARADOA(ガラガラドア)という読みが扉を開けるイメージにも重なり、商売繁盛に繋がって縁起がよいのではないか」ということも彼がその名称を推した理由である。ちなみに今のところ、ニユートーキヨーが発表するオープンソースソフトウェアーは各国語での「ビール」の名称で統一されている。
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OSCARアライアンスのダウンロードサイトの公開
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その後GARAGARADOAは多くの方からダウンロードされたが、USFOSのプロジェクトがいくつかの事情によりって2003年に閉鎖することになった。このため、ニユートーキヨーのホームページ以外からはGARAGARADOAのダウンロードができなくなってしまい、ダウンロード件数も激減してしまった。
せっかく普及に弾みがつくと思われたのに、非常に残念な展開になってしまった。そこでOSCARアライアンスに相談し、OSCARアライアンスのホームページから、ダウンロードが可能にして貰った。GARAGARADOAのダウンロードサイトが完成したのは2003年3月であったが、この時に同サイトからはWebPOS業務パッケージの「フランシーヌ」とグループウェア「ペンギンオフィス」もオープンソースとしてダウンロード可能となった。
しかし、この時点でWebサイトでGARAGARADOAを試しに動かしてみることができなくなり、ダウンロードができるようになったものの残念だった。しかし、現在では富士通長野システムエンジニアリングのWebサイトで体験使用ができるようになっている。なお、同サイトで紹介されているWebtimeとは富士通長野システムエンジニアリングから販売されているGARAGARADOAの製品版である。
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ソースコードの鍛冶屋であるSource Forge
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USFOSの説明で少しSource Forgeについて触れたが、Source Forgeは「ソースコードの鍛冶屋」の意味である。Source Forgeはオープンソースの普及のために公開されている開発者向けのコラボレーションサイトだが、詳しくはSource Forgeのサイトを参考にしてほしい。当社は富士通長野システムエンジニアリングとのコラボレーションを目指し、2004年4月はGARAGARADOAをSource Forgeに公開した。
このWebサイトでのコラボレーションなどを通じ、2004年9月には1度バージョンアップをして現在のGARAGARADOAになっているが、その後に社内での利用に弾みがつかないことなどもあって、現段階ではそのバージョンアップは止まっている。
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著者プロフィール
株式会社ニユートーキヨー 湯澤 一比古
財務部情報システム室 室長。53年東京生まれ。
75年にニユートーキヨーに入社。8年弱のウエイター経験を経て、システム担当に就任。ニユートーキヨーが「セルベッサ」をオープンソースとして発表した時に、システム担当者として初めてOSSに触れる。現在、同社のシステム室長。OSCARアライアンス、OSSAJなど、複数のオープンソース推進団体に参加。セルベッサ以外にも「ガラガラドア」や「オルット」などのオープンソースシステムを手がけている。
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