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常識として知っておきたい個人情報保護法
第1回:データが語る個人情報保護法の実態
著者:
日本ヒューレット・パッカード 佐藤 慶浩
2006/6/12
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現状の取り組み
しかし「知っている」と「やっている」とは大違いのようだ。実際に何らかの対策を実施している企業は、大企業では91.1%、中堅・中小企業では48.2%である。
図2:個人情報保護対策への現状の取り組み(日本HP調べ)
個人情報保護の具体的な取り組みをしている企業の実施状況を見てみると、大企業に比べて、中堅・中小企業が一様に10〜30%程度出遅れている。特に「社内規定・ガイドラインの整備」「社内組織・体制作り」「保管・運用方法の規定」「取組について顧客・取引先への通知」「取引先との取引条件の更新・周知」といった基本的な取り組みについて大きな遅れがでていることがわかる。
図3:個人情報保護の具体的な取り組み実績(日本HP調べ)
対策をする上での課題としては、企業の規模には関係なく「対策をすすめていく上でのノウハウの不足」と「人員の不足」がそれぞれ上位2つとなった。中堅・中小企業では「専門家がいない」「最初の進め方がわからない」「社内上層部のコンセンサスの欠落」が上位の課題となっており、規模による違いが明確にあらわれている。
図4:個人情報保護対策施工上の社内課題(日本HP調べ)
これらのことから中堅・中小企業では、最初の進め方がわからないために基本的な取り組みが遅れてしまい、その結果全体の対策も進みにくいという状況をうかがうことができる。
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社 佐藤 慶浩
1990年日本ヒューレット・パッカード(株)入社。OSF/1、OSF/DCE、マルチメディア、高可用性、インターネット技術支援を経て、米国にてセキュリティ製品の仕様開発に携わった後、情報セキュリティのコンサルティングに従事。また、国内初のインターネットバンキングでトラステッドOSを導入、インターネットトレーディングシステムでは性能改善のためユーティリティコンピューティングも設計。2004年からは、個人情報保護対策室長を務める。社外では、ISO/IEC国際標準セキュリティ委員会委員、情報ネットワーク法学会理事等の他、情報セキュリティ対策や個人情報保護についての講演をしている。現在、内閣官房情報セキュリティセンター参事官補佐を併任。
詳細はコチラ。
http://yosihiro.com/profile/
INDEX
第1回:データが語る個人情報保護法の実態
個人情報保護法の全面施行から1年
現状の取り組み
「うちの会社は関係ない」という誤解
個人情報保護バブルの功罪