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コマーシャルオープンソースの波
第1回:コマーシャルオープンソースとは
著者:
ケアブレインズ 内田 隆平
2006/7/7
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コマーシャルオープンソースの評価
オープンソースソフトウェアを有償で販売するというコマーシャルオープンソースソフトウェアは市場でどのように評価されているのでしょうか。
図4は米国の新興システムインテグレータのOptaros社が先ごろ発表したオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)の格付けです。
図4:CMSの格付け
出典:Unleashing the Power of Open Source in Document Management、Optaros、2006
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
この図4の横軸はカバーしている機能範囲、縦軸は企業向け機能やサービスをあらわしています。ユーザ企業にとっては、右上に位置するほど優秀なアプリケーションといえるでしょう。著名なオープンソースのCMSが多く入っていますが、コマーシャルオープンソースのAlfrescoがもっとも高い評価を受けています。これは、有償ですがAlfresco社の企業向けのサービスが高く評価されていることを示しています。
この格付けにはもう1つ面白い評価軸があります。それは、それぞれの球の大きさがコミュニティの大きさを示す点です。コマーシャルオープンソースのもう1つの価値は、ソースコードの全部もしくは大半がコミュニティに公開されているということです。
本連載の後の回で詳しく説明しますが、有償サービスの質だけではなくコミュニティの大きさがソフトウェアをより発展させ、上質なソフトウェアを作り出します。したがって、この球の大きさも重要な評価ポイントなのです。
このように、コマーシャルオープンソースは、「オープンソースを企業で使用するエンドユーザ」に的を絞ったソフトウェアプロダクツとサービス提供モデルといえますが、それが市場に高く評価されているといえるでしょう。
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著者プロフィール
株式会社ケアブレインズ 内田 隆平
株式会社ケアブレインズ取締役CTO。
東京大学農学部卒業、早稲田大学ビジネススクール技術経営学修士(MBA in Technology Management)。米国SugarCRMコア開発メンバー、SugarCRM日本語化リーダーを兼務。17,000名のSugarCRMコミュニティではトップ10コントリビューターとして表彰される。
INDEX
第1回:コマーシャルオープンソースとは
はじめに
コマーシャルオープンソースの事例
コマーシャルオープンソースの評価