TOP>キーパーソンインタビュー> Adobe Systems Special Interview 前のページ 1 2 3 — マルチメディア分野で使われていたFlashを基にした業務アプリケーションの利用を不安に感じるユーザは多いと思われますが Whatcott氏:Flashはマルチメディアやアニメーションで使われているという印象は、もはや当たり前のものとなったことからも非常に強いものだと思います。しかしWebアプリケーションという観点では、ビジュアル化によるユーザビリティの向上といったことのみならずに他のOS環境でも利用可能というメリットもあります。 クライアント/サーバ環境で考えた場合に、サーバ側であるバックエンドはしっかりとした運用ができている企業がほとんどですが、実際にユーザが操作するフロントエンド側はまだまだ重要視されていないケースが多いです。こういった時にFlashによるユーザビリティの向上は、企業の業務システムに大きな変革をもたらすものだと考えています。 もはやレガシーシステムであるクライアント/サーバシステムで利用されているアプリケーションはその限界が見えてきています。しかしFlexを導入することによって、その限界を新しいものに変えることができるのです。 — 今後のFlexの将来はどのような方向を目指しているのでしょうか。 小島氏:大きく分けて2つの方向性があると考えています。まず1つはモバイル向けのソリューションを構築するためのプラットフォームです。例えば携帯電話向けアプリケーションを作る環境を想定してください。いわゆるPCだけではなく、(モバイル用のFlash Player環境がAS3対応になれば)、携帯電話をはじめとするモバイルデバイスなどを狙ってアプリケーションを作ることもできるようになっていくと考えています。 Whatcott氏:もう1つの方向性として、現在Flexで作られるアプリケーションはWebブラウザ上のFlashで稼動しますが、将来的にはデスクトップアプリケーションになります。これはAPOLLOというプロジェクトとして進行しており、先ほどお話ししたFlexで作成するアプリケーションではなく、Flash/PDF/HTMLが合わさったようなのものを制作することができます。 このアプリケーションはオフラインでも利用することができ、ローカルのデータアクセスしたり、バックグラウンドで動いたりします。つまり、Webブラウザ上ではできなかったことができるようになります。APPOLLOはデベロッパ用の開発向けリリースを年末に行うことを目標にプロジェクトが進んでいます。このことにより、オンラインでもオフラインでも依存せずにクロスプラットフォームによりオフィス環境が実現されることでしょう。 FlashPlayer9は来年前半頃にLinux版もリリースする予定ですので、ご期待下さい。 Aobe Flex製品概要 http://www.adobe.com/jp/products/flex/index.html アドビシステムズ株式会社エンタープライズ&デベロッパービジネスユニット担当シニアディレクター Jeff Whatcott オンラインショッピングサイトであるAshford.comにて事業開発を経てマクロメディアに入社し、製品管理、開発およびテクノロジーの普及に携わる。2005年のアドビシステムズとマクロメディアの合併に際してアドビシステムズに入社し、エンタープライズ&デベロッパービジネスユニット担当として、Cold Fusion、FlexおよびLiveCycle製品群を統括し、ワールドワイドにおけるGo-to-Market戦略の立案および遂行を担当している。またデベロッパーコミュニティとともに、Adobeのテクノロジーの普及を促進するとともに、戦略的パートナーと共同でマーケティング活動を展開している。 アドビシステムズ株式会社マーケティング本部公共・法人市場部部長 小島 英揮(おじま ひでき) PFU、アクセリオジャパン等で、Web、XML関連ソフトウェアのマーケティングを担当。2000年、アクセリオ在籍時に利用者に使いやすい電子自治体の実現を目指す電子申請推進コンソーシアムの立ち上げに参画。現在も座長を務める。2003年アドビのアクセリオ買収に伴いアドビに入社。PDFサーバ製品のマーケティングを経て、2005年1月より現職。 前のページ 1 2 3