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はじめてのapache
いまさら聞けないApache〜Webサーバ構築のキソ

第3回:ソースコードからApacheをインストールする基本(前編)

著者:ビーブレイクシステムズ  木下 喜雄   2007/7/26
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aprとapr-utilのバージョン

   皆さんの環境にaprとapr-utilのバージョンが1.2未満がすでにインストールされている場合、configureでエラーになる場合があります。筆者の環境にてaprとapr-utilのバージョンを1.2未満に設定し、configureしたところ次のエラーメッセージが表示されました。
configure: error: APR version 1.2.0 or later is required

   このようなエラーが発生してしまった場合、aprとapr-utilをアップグレードする必要があります。アップグレード方法についてはApacheインストールガイドを参照してください。

Apacheインストールガイド
http://httpd.apache.org/docs/2.2/install.html


時刻を正確にする(オプション)

   今回のApacheのインスールでは必須ではありませんが、もしApacheサーバを業務などで利用する場合は時間を正確に合わせることは必須でしょう。HTTPの要素は時刻であらわされているもの(レスポンス生成時間など)があります。そのため、マシンの時刻を正確に設定したほうが良いでしょう。

   マシンの時間を自動的に設定ためには、よく時刻自動設定プログラムが用いられます。どのようなものなのかは、各自NTPホームページを参照してください。

NTPホームページ
http://www.ntp.org/


Perl 5(オプション)

   Apacheから提供されるスクリプトはPerlで書かれていますので、Perl 5インタプリタ(5.003以降)が必要となります。Perlインタプリタがインストールされていなくても、Apacheのコンパイルやインストールに影響は出ませんが、Perlインタプリタで動作するスクリプトを利用することはできなくなります。

   例えば「apxs(APache eXtension Tool)」というものがあります。これはPerlインタプリンタで動作するツールで、外部モジュールをコンパイル・インストールするものです。apxsが使えない場合、mod_pythonなどの外部モジュールがインストールできなくなり、外部モジュールに依存しているアプリケーションを利用することができません。

   ではPerlが皆さんの環境にインストールされているかどうか確認しましょう。次のコマンドを入力し、実行してください。

$ perl -v

   Perlがインストールされている場合、下記のようにPerlのバージョンが表示されます。

This is perl, v5.8.8 built for powerpc-linux-gnu-thread-multi

   筆者の環境には Perl 5.8.8 がインストールされていることを確認できました。もしperlが入っていない、もしくはバージョンが5.003未満の方は、インストールまたは、バージョンアップすることをお勧めします。


Step2:wgetでソースコードをダウンロード

   インストールするための準備は以上です。次のステップとしてApacheのソースコードをダウンロードしましょう。


wgetでダウンロードする

   ApacheのソースコードはApache HTTP Serverダウンロードサイトからダウンロードすることができます。執筆時点(2007年6月)の最新版は「httpd 2.2.4」でした。

Apache THHP Serverダウンロードサイト
http://httpd.apache.org/download.cgi

   今回は「wgetコマンド」でソースコードをダウンロードしてみましょう。wgetとはHTTP、HTTPS、FTP経由でファイルをダウンードすることができるプログラムです。なおソースコードは任意のディレクトリにダウンロードしてください。筆者は「/usr/local/src」にしています。

   ではダウンロードの開始です。まずソースコードをダウンロードするディレクトリに移動後、次のコマンドを入力し実行してください。

# wget http://ftp.kddilabs.jp/infosystems/apache/httpd/httpd-2.2.4.tar.gz

   するとダウンロードが開始されます。


(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   上記のようなメッセージが表示されダウンロードが完了すると、カレントディレクトリに「httpd-2.2.4.tar.gz」というファイルができているはずです。

   これで、Apacheのソースコードダウンロードは完了です。

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株式会社ビーブレイクシステムズ 木下 喜雄
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ  木下 喜雄
Javaスペシャリスト。前職ではCobol,VBを用いた大規模流通業向けシステム開発を行う。その現場で大規模システム構築時の開発効率の向上を目指してオブジェクト指向的な考え方を身につける。その後独学でJava言語を習得し、Java専業ベンダーであるビーブレイクシステムズに転職、現在は、Javaを用いた開発だけではなくお客様とのリアルコミュニケーションを実現できるマルチなエンジニアを目指し、日々奮闘中。


INDEX
第3回:ソースコードからApacheをインストールする基本(前編)
  ソースコードでインストールする方法
aprとapr-utilのバージョン
  gpgで改竄チェック