共通プロトコルに対応したネットワーク対応家電のケース
共通プロトコルに対応した家電製品の一例としては、デジタルリビングネットワークアライアンスが標準化活動を推進している「DLNA」があげられる。
その目的の1つは「音楽、写真、動画といったデジタル・コンテンツを家電、PC、モバイル機器間でシームレスに共有する」というもので、これを実現した製品がすでに市場に投入されている。
DLNA対応機器では多くの場合、DLNAガイドラインに準拠したモードに加え、同じベンダーの製品同士であればさらに追加的な機能が提供されている。場合によってはガイドラインの中でも基本的な一部機能にのみ対応しているという製品もみられる。
このケースでは、機器単体での(DLNA機能を使わない)テストと自社の機器との接続テスト、そして他社製品との接続テストの3つのテストが必要となる。さらに同様の機能を備えた機器を販売するベンダーが増加するにつれ、3番目の「他社製品との接続テスト」の割合は増え続ける。
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
さまざまなリソースを統合する端末のケース
さまざまなリソースを統合する端末は扱うデータの種類が増えるため、よりテスト項目や出現するバグは、一層複雑なものになると考えられる。
もちろん特殊なデータ形式なものだけを扱う、という場合なら想像通りといえるのだが、さまざまなリソースを統合したいというケースでは、扱うデータが単純化かつ標準化される傾向が強く、「独自の技術」というよりは「すでに幅広く使われている技術」を流用することが一般的だ。
例えば携帯電話では、Webブラウザによるインターネットアクセスや画像の表示、FlashやJavaによるアプリケーション実行などが行える。これらのアプリケーションの部分はすでに広く使われた共通仕様が採用されている。
このケースでは、その端末がメジャーなものか否かで対応チェックをする側が変化する。携帯電話の場合はコンテンツを作る側が機器への対応を確認することが多く、逆に特殊な情報端末であれば端末ベンダー側でのチェックが中心になる。 次のページ