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PDOの紹介
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第1回:PDOの概要

著者:Ilia Alshanetsky   2005/12/6
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現在の状況

   現在のところ、PDOの当初の目標はほぼ達成され、計画されていた機能のほぼすべてが実装されています。PHPで使用できる主要なデータベースとして以下のものがサポートされています。
  1. MySQLバージョン3と4(pdo_mysql)
  2. PostgreSQL(pdo_pgsql)
  3. SQLiteバージョン2と3(pdo_sqlite実際にはPDOだけしかSQLite3に接続することができません)
  4. Oracle(pdo_oci)
  5. Firebird(pdo_firebird)
  6. MSSQLとFreeTSD(pdo_dblib)
  7. ODBC(pdo_odbc)

表2:PDOでサポートされるPHPで使用可能な主要データベース

   Firebirdを除くすべてのドライバは安定していて、バグと機能のチェックが行われています。現在ではいくつかのドライバが製品システムで既に使用されています。しかしPDOとそのドライバはPHPに追加されてから比較的新しいので、未確認のバグがまだまだあるかもしれません。


PDOのインストール

   まずはPDOをどうやってインストールするのかを見てみましょう。まもなくリリースされるPHP 5.1では、PDOのコアエクステンションとSQLiteドライバはデフォルトで有効になります。他のドライバは標準のディストリビューションに含まれますが、configure実行時に明示的に有効にする必要があります。通常は"--with-pdo-[database_type]=[interface_lib_path]"という形式で有効にすることができます。例えばMySQLのサポートを有効にするには、MySQLのクライアントライブラリが/usr/local/mysqlにインストールされている場合"--with-pdo-mysql=/usr/local/mysql"とします。

   PHP 5.0.Xを使用している場合は、インストール方法が多少異なります。PDOは標準ディストリビューションに含まれないので、PECLのリポジトリからダウンロードしてインストールするか、Windowsの場合はバイナリ形式で(http://snaps.php.net/)からダウンロードします。

   PECLからインストールするには単に以下のコマンドを実行するだけです。

pear install pdo
pear install pdo_[driver]
#(example: pear install pdo_sqlite)
   以上のコマンドを実行するとPDOの最新の安定版をダウンロードし、自動的にコンパイルします。次にphp.iniに以下の設定を行い、コンパイルしたPDOのモジュールをPHPにロードします。

⁄⁄*NIX users
extension=pdo.so
extension=pdo_sqlite.so

⁄⁄ Win32 users
extension=php_pdo.so
extension=php_pdo_sqlite.so
   PHP 5.0.Xではモジュールの依存関係を自動で解決はしてくれないので、PDOエクステンションで必須のコアエクステンションは他のドライバよりも前にロードしなければなりません。ロードの順番が正しくない場合は、ドライバがまだロードされていないコアエクステンションの情報にアクセスしようとしてクラッシュするでしょう。

   PHP 4では残念ながらPDOを使用することはできません。というのもPDOはPHP 5で登場したオブジェクト指向の機能を使用しているので、それよりも前のバージョンではうまく動作させることができないからです。

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Ilia Alshanetsky
著者プロフィール
Ilia Alshanetsky
PHP開発チームの活動メンバーの1人であり、現在のPHP 4.3.X.のリリースマネージャー。また、オープンソース掲示板FUDフォーラム(http://fud.prohost.org/forum/)をはじめとする数多くのプロジェクトにも貢献している。


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