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Solaris10
徹底比較!! エンタープライズサーバOS

第4回:エンタープライズサーバOSの機能を見る(3)
Solaris編

著者:大神企画  富樫 純一   2005/01/28
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Linuxディストリビューションを食う?新機能「Janus」

   Solaris 10は、旧バージョンの「Solaris 9」に比較して600以上もの新機能が追加された。その中でも特筆すべきなのが、「Project Janus」と呼ばれるLinuxとの相互運用性を実現する機能である。

   Project Janusは、LinuxアプリケーションをSolaris環境でネイティブに動作させるもので、アップデートリリースに実装される予定になっている。OpteronやEM64Tなどのx86サーバ上で稼働し、ネイティブのLinuxと同等またはそれ以上の性能で実行できるという。サンでは、x86サーバで各種Linuxディストリビューションをサポートするなどの施策も進めてきたが、Solaris 10では一転、Linuxディストリビューションを牽制することになったわけだ。

   ここ数年、エンタープライズサーバ市場においてLinuxは順調に伸長している。その多くはUNIXシステムからのリプレースである。Linuxシステムに移行する最大の理由はトータルコストの削減だが、エンタープライズサーバ向けのLinuxディストリビューションは決して安価ではない。また、ディストリビュータ自身のサポート体制も十分ではない現状では、ユーザー自身がLinuxを扱えるスキルがなければ、Linuxシステムに移行するとむしろ高くつく場合がある。

   サンの狙いはLinuxを否定するのではなく、Linuxディストリビューションに代わるLinuxシステムのプラットフォームとして、Solaris 10を勧めるというものである。

 「SolarisのOSアーキテクチャの概要」

   Solarisカーネルは、ダイナミックに拡張可能なコンパクトコードベースで構成されている。カーネル上には、独立したコンピューティング環境である「ZONE」があり、アプリケーションがクラッシュしてもカーネルが影響を受けることはない。

SolarisのOSアーキテクチャの概要
図1:SolarisのOSアーキテクチャの概要
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ミラクル・リナックス
著者プロフィール
有限会社大神企画  富樫 純一
代表取締役。週刊COMPUTERWORLD(IDG)編集記者を経て、月刊WINDOWS WORLDの創刊に携わる。1996年に編集長。1998年に月刊PC WORLD創刊。1999年、編集プロダクションを設立して独立。現在、幅広い執筆活動を展開。また、NHK BS「何でも解決!パソコンマガジン」にレギュラー出演するなど、テレビ・講演活動にも活躍。


INDEX
第4回:エンタープライズサーバOSの機能を見る(3)Solaris編
  UNIX市場を主役にしてきたSolaris
Linuxディストリビューションを食う?新機能「Janus」
  可用性がさらに向上